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新型コロナ自粛中の過ごし方をインタビュー(ゼットン編)

新型コロナ自粛中の過ごし方をインタビュー(ゼットン編)

ハワイ在住のアーティストや著名人に、コロナ禍での過ごし方、今後の活動などをインタビュー。第11回めはハワイで6店舗の人気レストランを展開するゼットンの菊地さんとマイルドさんです。

公開日:2020.10.19

更新日:2020.11.03

アロハストリート・インタビュー

※この記事は2020年10月19日に公開したものです。

 

アロハ! ヒロヨです。

世界中に大きな影響を与えた新型コロナウィルス(COVID-19)。ハワイでも3月26日から6月30日まで自宅待機措置が実施され一時期感染者数が減ったものの、8月27日から再び自宅待機令が発令されました。現在は解除され少しずつ規制が緩和されつつあります。

そんな中、アロハストリートではハワイで活躍するアーティストや著名人の方にインタビューを実施。それぞれのロックダウン中の過ごし方や考え方の変化、現在のライフスタイルなどについて伺いました。

第11回めは、ワイキキで「アロハテーブル・ワイキキ」、「グーフィー・カフェ&ダイン」、「ヘブンリー・アイランド・ライフスタイル」、「地喰(ジグ)」、「パリ・ハワイ」、「アロハステーキハウス」の6店舗のレストランを経営するZETTON, INCの副社長である菊地さんと取締役営業本部長のマイルドさんです。

右:■菊地大輔 / Daisuke Kikuchi、左:■マイルド(長谷川誠) / Mild(Makoto MILD Hasegawa)

右:■菊地大輔 / Daisuke Kikuchi、左:■マイルド(長谷川誠) / Mild(Makoto MILD Hasegawa)

●株式会社ゼットン
1995年設立、カフェバー「ZETTON」を名古屋にオープン。以降、「アロハテーブル」をはじめとする各種飲食ブランドを立ち上げ、現在約80店舗を運営。ハワイでは、2009年「アロハテーブル・ワイキキ」をオープン以降、2013年「グーフィ・カフェ&ダイン」、2014年「ヘブンリー・アイランド・ライフスタイル」、2018年「地喰(ジグ)」、「パリ・ハワイ」、2019年「アロハステーキハウス」を次々と展開。ワイキキ界隈のグルメ&ダイニングを牽引する存在として注目を集めている。

社員の雇用を守るために

───アロハ、菊地さん、マイルドさん。今年の3月20日にレストランでの店内飲食サービスの提供が一時禁止となりました。その時、運営されていた6店舗ではどのような対応をされたのでしょうか?

菊地:1月くらいまではコロナに関する報道を聞いたりしていましたが、ハワイではそんなに影響を感じることなく対岸の火事のように見ていたというか…。ただ2月に、ハワイを旅行して帰国後にコロナを発症した日本人旅行者の方がいらっしゃり、その旅行者の方がハワイで立ち寄った場所の中にグーフィが含まれていたということで、保健所の調査がありました。お店は何も問題はなく、スタッフも全員無事だったのですが、ちょっとあれ?とは思いつつ、メインランドで感染者が増加し始めた3月初旬もまだそんなにハワイでは騒動になっていませんでした。

でも3月中旬くらいから一気に州が動き始めて、ロックダウンの前にレストランは時短営業になって…。そうなると一番運営が難しいのがディナー営業のみのパリ・ハワイで、最初にここを一時閉店することにしました。その後グーフィ、アロハテーブル、ヘブンリーも一時閉店にしました。

 

───6店舗中4店舗の一時閉店は、苦しい決断ですよね。

菊地:あの状況で一番に思ったのは、とにかく約30名の社員の雇用を守ること。6店舗を30名で運営するのは無理ですし、有給などでメンバーに待機してもらいながらも、テイクアウトで何とか2店舗の営業を続けることに。ありがたかったのは苦しいだろうスタッフがいつも前向きだったことです。お店で働きたい、自分たちのステージがあればそこでやりたいと思ってくれて、こんな時でもポジティブでいてくれたのはうれしかったですね。

 

───探そうと思えばほかの職場を探すこともできたと思うのですが、また働きたい、戻りたいと思える魅力的な職場だからこそ、スタッフの方たちもポジティブでいられたんでしょうね。でも最初のロックダウンの時、こんなに長引くとは思われましたか?

菊地:いえ、2カ月ぐらいで終わるかなと最初は思っていました。ロックダウンがあってからは感染者の増加も抑えられていたようでしたし。

 

───6店舗ともワイキキにあり、旅行者のお客様が大きな割合を占めていたと思うのですが…。

菊地:そうですね。ヘブンリー、グーフィー、アロハテーブルは、旅行者のお客様の利用が85%〜90%。でもコロナで旅行者の利用が見込めない状態からローカルの方に認知してもらおうと思ってもなかなか難しくて…。

その中でも、ローカルのお客様の日常食として求められ、利用してもらえるだろうということでテイクアウト営業を続けることにしたのが、ジグとアロハステーキハウス。僕たちのレストランがこの状況でインフラになれるかはわかりませんでしたが、料理をしない方や美味しいものを食べたいという方のために、そして社員の雇用を守るために2店舗で営業を続けようということになりました。

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店内飲食を再開した時のジグのインスタグラム

 

───その後規制が一時緩和されて、6月5日から条件付きで店内飲食が可能になりましたね。

菊地:5月はテイクアウト営業を続け、6月になって席数を減らすなど、制限付きですがやっと店内飲食ができるようになり、ヘブンリー、その後にパリ・ハワイを再オープンして4店舗を開け、スタッフもほぼ戻しました。ローカルのお客様へのアピールを続けた結果少しずつ支持が増えてきて、お客様が新しいお客様を連れてきてくれたり、少しずついい感じで回り始めていました。

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テイクアウト用に新メニューを開発

 

───メニューを工夫したり、インスタグラムなどのSNSをすごく活用されているなぁと思っていました。

マイルド:ローカルのお客様が食べたいものを考えて開発したり、直接ヒアリングしてメニューを作ったり、今までにない取り組みをしましたね。その結果、ローカルの方やハワイ在住の日本人のお客様が、リピーターになって何度も利用していただけるようになり、お客様とスタッフの距離が縮まって、繋がりが強くなりました。

菊地:大変な時に助けてくださいではなくて、そんな時こそポジティブなアクションを起こして情報を発信し続けるよう努めました。どんなに難しい状況でも必死で頑張っている姿を見ていると、一回行ってみようという気持ちになると思うんです。だからそれぞれのお店の特色をだしながら、とにかく情報をアップして攻めるんだ!ってスタッフに言ってましたね。

例えば自宅待機で毎日お母さんは家族の食事の支度が大変だから、土日は楽をしてもらうためにお得なプランを実施したり、キッズメニューを用意したり。大人もつらいけど子どもも学校に行けなくてかわいそうだから、少しでも楽しくなるような、食べたくなるようなメニューを提供するようにしました。

アロハステーキハウス

お得なメニューをSNSで告知

 

───私もインスタを見て、アロハステーキハウスのお得なステーキセットを週末にテイクアウトさせていただいたのですが、美味しくてボリューム満点で子どもたちも大喜び。しかもDMした際のスタッフの方の対応が素晴らしくて、じ〜んと心に響きました。

マイルド:ありがとうございます。ジグでも週末にキッズフリーを実施したら、とても反響がありました。ヘブンリーではお絵かきパンケーキをオール$3にしたり。お子様はもちろん、お母さんにも喜んでいただきましたね。

 

───ちなみに店内飲食のルールが変わった時は、保健所から公式なガイドラインは通達されたのでしょうか?

マイルド:なかったですね。発表されているガイドラインの内容も微妙に違いがあったので、自分たちで情報収集をしたり、同業者に聞いたり。そのほか、衛生知識の高い専門家に頼んでお店のチェックもしてもらいました。

 

這ってでも生き延びるための冬眠=一時閉店という選択

───旅行再開の目処は立たないものの、一時は感染の拡大が落ち着いていたようにも思えたのですが、7月末から再び感染者数が増加して、8月初めには公園やビーチがクローズ。8月27日には2度めの自宅待機令が発令され、再び店内飲食が禁止に。とても苦しいお気持ちだったと思うのですが…。

菊地:最初のロックダウンの時、暗い状況でもささやかながら食で楽しんでもらえるといいな、という思いで営業していました。でも、毎日感染者が200人、300人と増加するなか、営業を続けていることが悪に思われるように感じたのも事実で、飲食業の意義を考えましたね。

お客様の幸せに繋がらないのなら、飲食をやる意味はあるのかなって。やっと店内飲食ができるようになったのに、また3月のテイクアウト営業に戻るという、過去に戻ってまた同じことをやり直すというのは本当につらい。絶望を感じるというか。しかも一生懸命予防したとしても誰が感染してもおかしくない状況にスタッフを晒してしまうリスクもあって…。

 

───そうですよね。やっと前進したと思ったのにまた振り出しに戻ったら、心が折れるというか…。さらに感染リスクが高くなってしまった状況の中、レストランを開けていても閉めていてもネガティブな噂が一人歩きする可能性もあるわけで。

ヘブンリー

2回めのロックダウンで再びのクローズへ

 

菊地:そうですね。2回めのロックダウンの時は、スタッフの安全面、会社の意義、今後の会社の資金を考えてこのままやり続けるべきではない、全店舗一時閉店という決断に至りました。閉店を残念がってくださるお客様には大変申し訳なかったのですが、会社の存続なくして雇用はないので、生き残ることがベストだと思いました。困難を乗り越える、ではなく這ってでも生き残るというか。どうにか踏ん張ればまた雇用はできますし、お客様に喜んでいただけるような食事やサービスの提供を再開することもできます。

このままいくとハワイの飲食店は半分くらいクローズする可能性があると言われていますが、僕たちは生き残る側にいたい。以前のような状態に戻るには数年かかるかもしれません。でも飲食店が減ってもいい店を作って生き残ってさえいれば利用してくれるお客様の密度が濃くなり、早く復活する可能性があると思っているので、今は未来を見据えた冬眠の選択をしました。ただ、ゼットンはハワイを撤退するのではないかという、事実とは異なる噂が流れたりもしましたが…。

───ポジティブな未来のための決断が間違って伝わるのは悲しいですよね。長い戦いになるということは従業員の方の理解やモチベーションの維持も難しかったのでは?

マイルド:一時冬眠しますというアナウンスした後、閉店までのラスト3日間は反響がすごくて…。お店のファンになっていただいたお客様に絶対戻ってきてね、待っていますよ、というたくさんの労いの声がスタッフひとりひとりの、そしてチームのモチベーションになりました。ですからお客様のためにも、コロナのビッグウェーブが終わった時にしっかりお店を残すことが、今のミッションだと思っています。

 

───現段階で、レストランの再開はいつ頃になりそうでしょうか?

菊地:年内中はクローズ予定ですが、10月15日から条件付きでハワイ州到着後の14日間の自主隔離を免除するプログラムが導入され、渡航への一歩が踏み出されましたし、ハワイラバーの方々に明るい未来を感じてもらうためにも、今後の渡航状態を鑑みて年明けを再開の目処としながら準備を進めていきたいです。

───今は来るべき時に備えて、大きく飛躍するための充電期間ですね。

マイルド:この期間にいろいろな方から勉強させていただいてアイデアをブラッシュアップしていきたいですね。

菊地:今回のコロナで飲食業界の構造のもろさがよくわかったので、会社を運営する立場としてはこの構造を変えていかなくてはならないと思っています。レストランを利用するお客様が減ってもしっかり会社が残れるような構造というか…。

そのためには僕たちの会社が世の中に必要とされ、価値を感じてもらえるような会社にならなければいけません。ゼットンは店づくりは街づくり、店づくりは人づくりというコンセプトを掲げていますが、このコンセプトに沿えば飲食以外のビジネスの可能性もあると思っています。環境問題に取り組んだり、サステイナブルな社会づくりに真に貢献できる会社になることで、世界の人たちにあの会社には価値があるから応援したいと思われるようになっていきたいですね。

 

───さらに骨太になったゼットンの再開が楽しみです。本日はありがとうございました!

 

\マイルドさんからのメッセージを動画でどうぞ!/

★インタビューを終えて…
私にとって自粛期間は、「動」というよりは「静」の世界。いろいろなものがいきなり一時停止してしまった感がありますが、ゼットンではコロナに翻弄されつつも様々なアクションや従業員を守ための努力、決断を繰り返す「動」の期間だったことを実感しました。苦しい状況の中「従業員を守る」という一貫した姿勢に、以前から感じていたゼットンで働く方たちの結束力の固さの根幹を見た気がします。でも今の最優先事項は、老舗レストランでさえ閉業となってしまうような厳しいハワイの飲食業界で生き残ること。一時閉店は寂しいけれど、この困難な時をどうにか耐え抜いて、さらにパワーアップしたゼットンが運営するレストランでの食事や、スタッフの方々とのコミュニケーションが今から楽しみです。その日が来ることをお客さん側のモチベーションとして「私も毎日を頑張って生きていかねば!」と思いました。

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