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仙台から感謝状をハワイへ

被災地である仙台のフラハラウ「フイレフア」が、ハワイの日本支援活動に「ありがとう!」を届けに来ました。

2011年06月21日

 アロハ!ヨリエです。

 6月10日~12日の3日間「まつりインハワイ」が開催され、環太平洋の様々な地域から大勢の参加者が集まりました。毎年日本からも多くのグループが参加するイベントですが、今年の開始日は震災からちょうど3カ月。華やかな舞台の裏にはもうひとつの物語がありました。今日はその様子をご紹介します。

 私たちが出会ったのは、仙台から参加したフラハラウ「フイレフア」のみなさん。瓦礫だらけの町でようやく用意した、それぞれ色も柄もばらばらの衣装をスーツケースに入れ、ハワイまで来たそうです。なかには家が崩壊したメンバーもいましたが、「フラを通じてハワイに励まされた」という彼女たちが参加を決意したのは、ハワイの人たちへお礼を言うためでした。

 フイレフアの代表でありフラの先生、設楽洋子さんはこう語ります。
 「震災直後、自分たちがどうしていいかも分からない時に、遠くハワイの人たちは直ちに救援活動をはじめてくれていた、ということを後で知り、どれほど励まされたか…」

ホノルル動物園から仙台に届いた
命の贈り物


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 ハワイのラジオスタジオ「スタジオリム・ハワイ」のレイコさん(写真左から2番目)とともに一行が訪れたのは、ホノルル動物園。じつは、震災後の4月28日、スマトラトラの「ケアヒ」が仙台の八木山動物園へ送られているのです。


400_IMG_0556.jpg ケアヒがいたトラ舎の前には、「ケアヒは仙台で元気にしていますよ!」というメッセージがあります。もともと仙台に引っ越す準備をしていたケアヒの予定も、震災後は一時延期に。八木山動物園では、動物のエサをはじめ、飼育員たちの生活すらままならない状況下で「それでもケアヒを迎え入れたい。きっとみんなの心が和むから」と到着を心待ちにしていました。5月中旬、仙台に住む皆さんにお披露目されたケアヒの元気な様子は、新聞記事でフイレフアの元にも届きました。

 「被災地にいるみんなの硬直していた心が、ほっとほぐれるうれしいニュースでした。ケアヒを送り出していただき、本当にありがとう」


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 飼育員さんの案内で今回は特別にトラのいる小屋の奥まで入れてもらいました。ケアヒのお母さんとご対面です。「トラをこんなにかわいいと感じたのははじめてです。きれいねー」と、みなさんの顔がほころびました。

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 フイレフアの代表、ヨウコさんからホノルル動物園の園長さんと飼育員さんへ感謝状が渡されます。「マハロ・フォー・ハワイ。大きなアロハの心とご支援をいただきありがとうございました。心より感謝申し上げます」

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 お礼に、フイレフアのみなさんからフラのプレゼント。「ハワイに来ることができて、お蔭様で笑顔でいさせてもらっています」と、今回参加することのできなかったメンバーの分まで元気に踊ってくれました。
 
 「復興のシンボル」として仙台でかわいがられているケアヒに、今月オランダからガールフレンドが引越してくるそうです。八木山動物園で新しい命の誕生が見られるのも、きっと遠い話ではありませんね。

チャリティーで集まったみんなの思いを
ハワイアンミュージックにのせて…


 ハワイでは、震災直後から様々なチャリティー活動が行われています。パケレ・ライブもそのひとつ。レストラン「ウィローズ」で行われるライブ・コンサートで、震災後5週にわたり義援金を募り、$18,000が集まりました。

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 写真右がパケレ・ライブのプロデューサー、パリさん、左がウィローズのマネージャー、ギャレットさんです。


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 パリさんと、パリさんの奥さまで、J-WAVEのパーソナリティとしても活躍するサチさん(写真中央)は、ご夫婦でパケレ・ライブのチャリティイベントを主催しました。お二人はハワイのローカルテレビ番組「ドコガTV」のレポーターでもあります。先日、サザンオールスターズの関口和之さんと一緒に仙台まで義援金と物資を届けに行き、被災地で応援ライブを行った様子も、番組で紹介され大きな反響を呼んでいます。ハワイには、このお二人のように、日本の支援に立ち上がったアーティストをはじめ、たくさんの人たちがいます。


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 「震災から3カ月経っても、被災地の状況は何も変わっていません。目の前で家族を失ったひとや、津波に巻き込まれてもがきながらも命が助かったひとばかり。若い人もお年よりもみんな、家もなければ、仕事もなく、これから先の不安でいっぱい。被災地にいるすべての人が心細いので、心のよりどころがない状況です。そんな中、世の中から忘れられ、取り残されたという思いが一番辛い。復興まではまだ程遠い。細くでいいから長く、どうか被災地のことを伝えていっていただけたら…」とヨウコさんは言います。

 彼女は、アンクルの名で親しまれたジョージ・ナオペ氏からフラを伝承された先生です。アンクルはハワイ島で開催される世界最大のフラの祭典、メリー・モナークの創設者です。じつはメリー・モナークは、大津波の被害を受けたハワイ島ヒロの復興のためにスタートしたイベント。

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 メリー・モナークに思いを託したアンクルと、今回の震災で大津波を受けた自分たちが重なる、とヨウコさんは言います。「先の見えないめちゃくちゃな状態が続いたある日、アンクルが『フラをやりなさい』と背中を押してくれた気がするんです」

「あんなに大きな地震だったのに、スタジオの椅子にちょこんと乗せてあったイプだけはビクともしていなかったり、津波で家が流されてしまったメンバーが、水が引いた数日後に戻ってみると、何もない泥だらけの土地で、木の枝にパウスカートが引っかかっていたり…不思議なことがたくさんあります」

 ハワイ滞在中は、ダイアモンドヘッドの頂上で日の出を見ながら黙とうを捧げたというフイレフアのみなさん。「今回ハワイに来て本当によかった。ハワイの人たちは予想以上に大きな心で応援してくれていました。このことを仙台のみんなに早く伝えたい!」とおっしゃっいます。ヨウコさんの、「ハワイと仙台、日本は、遠いようでいつも繋がっていますよね」と、涙がにじむ眼の奥は、とてもやさしく、力強い印象でした。
 

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 とにかく物がない仙台で、和紙の上に墨でていねいに書かれた「感謝」の文字。フイレフアのみなさんがハワイまで届けてくれた気持ちに、逆に勇気を与えられたひとは数え切れないほどいるはずです。豪快な笑顔とおしゃべりなヨウコさんが「感謝」を手にする度、何度も何度も、瞳から温かい涙がこぼれました。人と人が支え合えば、きっと前に進むことができるから、アロハストリートはこれからも、ウエブと雑誌でハワイのチャリティ活動をお伝えしていきます。


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