様々なジャンルで活躍するハワイのキーパーソンが語る、新たな試みや現在進行中のプロジェクトに対する思いや願い。彼らのチャレンジや経験談からあなたの人生をより豊かにするヒントが見つかるかも。

今回の「楽園の仕事人」は、現在オアフ島内に5店舗を展開している人気ベーカリー「ブルク・ベーカリー・ハワイ」の代表を務めるミホ・チェ・フェルナンデスさんの登場です。

ミホ・チェ・フェルナンデス
Miho Choi Fernandez

ブルク・ベーカリー・ハワイ代表。アジア某国で「なめらかプリン」を大ヒットさせた実績が評価され、2014年3月にブルク・ベーカリー・ハワイの代表に就任し、ハワイへ移住。現在オアフ島内に5店舗を構える。

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北海道で誕生したベーカリーショップ「ブルク」がハワイに進出して6年。5店舗めとなるカハラ店がオープンし、その快進撃は止まらないが、実はいろいろな困難があったと語る代表のミホ・チェ・フェルナンデスさん。

「シロキヤの移転で一号店をクローズせざるを得ない状況になり、急遽同じアラモアナセンター内で店のスペースを確保したものの、キッチンが狭く思うようなパン作りができませんでした。そんな時、大手コーヒーチェーン店の元オーナーの方が、困っている私を見かねてサンドイッチ工場の一部を貸してくれたんです。この方のように無償の愛情で手を指し伸ばしてくれる多くの賢者に助けられたおかげで、現在のブルクがあります」。

ブルクのパンは防腐剤を使わず、毎日朝からお店のキッチンで手作り。柔らかくてハリがある、ブルク創立以来守られてきた食感を大切にしている。「少ない人数で効率的に製造するなら、一カ所でまとめてパンを作って店舗に配送するセルフキッチンがありますが、そのやり方では添加物が増えてしまいます。添加物が増えるとブルクの誇りである食感が変わってしまうため、非効率でも朝4時からパン作りをしています」とミホさん。手間がかかっても信念は曲げない。そんなクオリティの高さは信頼となり多くの人が応援してくれるように。

「新しくオープンしたカハラ店は、お店の広さもちょうどよく、機材も店内のデザインもすべて希望が実現したブルクの集大成のようなお店です。今後はこの5店舗をしっかり管理し、利益を従業員にも還元していきたいですね。ハワイはビジネス環境的には厳しい場所ですが、ピンチの時を救ってくれた恩人たちのように、アロハに満ちた人が多いのが魅力だと思います。私がいろいろ助けてもらったように、今度は私が困っている人たちに手を差し伸ばす番。ブルクを通してたくさんの方々を幸せにできるといいなと思っています」。

妥協を許さない作り手の思いが込められたパンは、美味しいだけでなく幸せも運んできてくれるのだ。