悲しい恋の花「オヒアレフア」

悲しい恋の花「オヒアレフア」

公開日:2009.04.07

更新日:2020.07.06

ハワイ発プレミア情報誌アロハストリート

※この記事は2009年4月7日に公開したものです。

 

ハワイ島ヒロ在住のフリーカメラマン/ライターによるコラム「三日月カメラ」がスタート。ノスタルジックなヒロの町の様子を在住者ならではの視点で紹介していきます。

 

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イシカワユウコ


報道カメラマンとして勤務後、退職。現在はハワイ島にて「フィジカル・セラピー」を学ぶかたわら、フリーカメラマン/ライターとして奮闘中。在職中とは違い「好きな写真を好きなように撮れること」が一番の幸せ。2008年9月に移住してきたばかりの「ハワイ島初心者」。揉んで、癒して、撮れて、書けて、歌って踊れる「高気圧ガール」が目標。

 

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ハワイでも雪が降ること、ご存知ですか?ハワイ島、通称「ビッグアイランド」の北東に位置する標高4205メートルの白い山マウナケア。頂上には各国の天体観測施設が並び、雪の女神「ポリアフ」が住むと言われています。
一方、島の南西には火の女神「ペレ」が住むキラウエア火山の背後に広がる長い山、マウナロア。こうしている今も火山口は溶岩を吐き続け、地球が生まれる瞬間を私たちに見せつけています。

 

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 私の住むヒロはハワイ島の東に位置し、ダウンタウンからはマウナケアの美しい姿を拝むことができます。ヒロとは「三日月」のこと。その名の通り、三日月のように湾曲したヒロ・ベイを臨む、海辺の町。

建物は低く、雨量も多く、大きな空はいつも曇りがちで、なぜか物悲しい町。都会や日本では当たり前だったすべてがそうではないこの町。ノスタルジアと表す人もいます。

 

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 毎春ヒロで開催される「メリー・モナーク・フェスティバル」。そのポスターには毎回、この島の神話がモチーフに使われています。今年の題材は、ハワイ島の悲恋物語「オヒアレフア」の伝説。

 

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 ある日、火山の女神ペレが海岸を歩いていた美しい青年オヒアにひとめぼれ。自分の恋人になるように迫るのですが、オヒアにはレフアと言う恋人がすでにいたためペレを拒絶します。気高く美しいペレは、情熱を放出しないではいられない「火山の女神」。オヒアの反応に激怒し一本の木に変えてしまいます。帰らぬオヒアを想い、レフアが泣き暮れるたびに町は雨。とうとう洪水まで引き起こしてしまいました。

それに困ったほかの神々が、ペレの魔法を解いてオヒアを人間に戻すことはできないけれど、せめてオヒアと一緒にしてあげよう…と、レフアをオヒアの木に咲く花の姿に変えました。だからこの植物の名前は「オヒアレフア」。オヒアとは木の部分で、レフアはその花のこと。島では今でもレフアの花を摘むと悲しみの雨が降ると信じられています。

 

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 こんな神話の数々と、大自然に抱かれたビッグアイランド。私はまだまだハワイ島初心者ですが、このコラムを通して、みなさんと一緒にハワイ島の魅力をどんどん発掘していけたら…と思っています。みなさんもまずはヒロの町からこの島に触れてみませんか?オアフ空港から1時間。あなたの知らないハワイが、ここにあります。

 

●ハワイ島豆知識

メリー・モナーク・フェスティバル/Merrie Monarch Festival

毎年1週間をかけてハワイ島・ヒロで開催されるハワイ最大のフラダンスの祭典。この時期には世界中のフラ・ダンサーがヒロに集う。メリー・モナークとは「陽気な王様」の意味で、19 世紀にキリスト教宣教師たちに禁止されていたフラを復興させたカラカウア王の愛称にちなんだもの。

2008年のレポートはこちら⇒⇒
2007年のレポートはこちら⇒⇒

 

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