ヒロが舞台!ビッグアイランド国際マラソン

ヒロが舞台!ビッグアイランド国際マラソン

公開日:2009.05.12

更新日:2017.06.25

ハワイのイベント・レポート

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2009年はハワイの5大マラソンに全部出場する!と年初に決めた編集長の上野です。ホノルルマラソンの余韻も冷めやらない3月15日。早速、第一弾のビッグアイランド国際マラソンに出場してまいりました!

※写真協力:スポナビハワイ
(レポート中の写真は2008年大会と2009年大会が混在しています。)

■2009年はハワイ州5大大会に出場を決意!

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 ここ数年は、ホノルルマラソンですらやっと出場できるかどうか、という程度のコンディション作りしかしていなかった私に、果たして年間5つのフルマラソン大会出場は可能なのか...。自分なりに最近のレース体験を分析するに、「1年に1度しか出ないから、逆に練習もさぼってしまい、コンディションを元に戻していくのがたいへんなのではないか?」というところに行き当たりました。そして、「じゃあ、しょっちゅうマラソンしてれば、特別な練習もしなくていいんじゃない?」という風変わりな結論に至ったわけです。

 そういえば自己ベストの3時間58分を出した頃は、9月にマウイマラソンにも出たりして、ちゃんと予行演習をしていました。ハワイ州には大きなマラソンだけでも年間を通じて、ちゃんと予定が組まれているので、下記のような出場スケジュールを立てた次第です。

 ■3月15日 ビッグアイランド国際マラソン(ハワイ島ヒロ)
 ■6月28日 コナマラソン(ハワイ島コナ)
 ■9月6日 カウアイマラソン(カウアイ島ポイプ)
 ■9月20日 マウイマラソン(マウイ島カフルイ~カアナパリ)
 ■12月14日 ホノルルマラソン(オアフ島)

 

この内、カウアイマラソンは、今年が記念すべき第一回。同じ月にマウイマラソンもあるのに、なぜわざわざ重ねてしまうのか...。しかも9月のハワイなんて、強烈な日差しで危険も伴うのに、と、その真意は測りかねますが、まあ練習と思えば良いではないか、ということで、観光気分で参加してこようと思っています。

 このほかにも、マウイ島に知られざる小さな大会もあるようですが、一応、5大大会といえば、こんな感じ、ということで参加決定。とりあえず3カ月おきにあるのはリズム作りにも良いし、サボりがちな自分を律するのに最高かもしれません。

■ヒロの国際(?)マラソンに初出場!

 メリーモナークが行われることで有名なハワイ島のヒロを舞台にしたビッグアイランド国際マラソン。国際、とかついていたりしますが、参加人数は極端に少なく、ハーフマラソン出場者を足しても1,000名に達しない町内イベントのようなものです。ゼッケン受取所も、ホノルルの市民大会より閑散としています。さすがヒロです。これが味なのです。

 私は案の定、ホノルルマラソン後、脱力してランニングから遠ざかっていたので、のんびりとスロージョグで5時間くらいかけて走れればそれでいいや、という感じ。初めての挑戦だし、雰囲気を楽しんでこようと思っておりました。大会前に走った最長距離はハーフの21キロくらい。それもトコトコのんびりと。

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 前日は、以前に仕事でおじゃましたことのあるハワイ・トロピカル・ボタニカル・ガーデンをゆっくりと見学しました。雨の多いヒロですから、とにかく植物の成長がものすごいのです。溶岩台地が剥き出しのコナの方とは大違い。熱帯雨林の中にいると、草木の呼吸が感じられてとても気持ちよいものですよ。湿度がいっぱいではありますが、不快なほどではないので、逆に人間的で良いかもと思ってしまいます。

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 さて、マラソンの当日。出発点は、拠点となっているヒロのダウンタウンにあるヒロ・ハワイアン・ホテルから車で15分くらい北に上った場所。誰も起きていないような午前4時45分にホテルのロビーに降りて、ランナーはバスを待ちます。スクールバスが来たのは確か5時15分頃...。ハワイらしいリズムです。バスはグングン、グングン、そしてグングン北へ上っていきます。上り坂。ホテルはハーフポイントなので、皆「半分なのにこんなに行くの?」と驚きながらも楽しそうです。

■熱帯雨林の中を行く風光明媚なコースに感動!

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 スタートは午前6時。え、これだけ?という小さな塊が、それなりのスピードで一気にかけ出します。前半はハーフの人と一緒なので、それにつられてはいけないのに、あまりにも塊が一緒に動くので、ついつい焦ってしまいます。レベルが高いのか...?と一瞬思いましたが、そういうことではないようでした。

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前半は、主に下りを中心とする山道を走ります。山道とは言っても舗装されたきれいな道。ただ周りが山の中、あるいは山の中にある住宅地なのです。ホノカアボーイ的な風景がどこまでもどこまでも続きます。しかも町の様子はどこにもありません。両端に高くうっそうとした熱帯雨林が生い茂り、なんだか昨日見たトロピカル・ボタニカル・ガーデンに似ているなあと思っていたら、ふとガーデンの看板が見えてきました。あ、なんだガーデンそのものの周辺を走っていたのです。

 1/4ポイントまでは、くねくねとしたアップダウンが少しありますが、まるでマノアの滝のトレッキングコースかと思うくらいに、水の音がしたり、鳥のさえずりが聞こえたり、日が昇って朝露が蒸発するような匂い(想像です)が漂ったり。ふと、ゴーッという激しい水音がしたかと思ったら、そこには滝が現れたり、水量の多い川の上の橋桁を渡っていたり、変化に富んでいて飽きません。

 それどころか、周りで走っている人も、つい立ち止まって見ほれてしまうほど。古めかしい橋の形や、突然現れたサーフスポットでサーフィンをするロコたちや、何十メートルもあるような巨大な樹木が次々と現れ、カメラを持ったランナーが、何度も止まって写真をバチバチ取っています。私も2-3度、立ち止まって見事な景観を眺めたりしました。こんなマラソンもあるのですね。心が清められるような、早朝の熱帯雨林特有の空気感が漂って、すばらしいです。もうタイムなんてどうでも良くて、楽しくて楽しくて仕方がありません。

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■ボランティアの暖かさに思わず涙が

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 その後、ハーフに近くなってヒロのダウンタウンに戻ってきました。ここで終わる人もいれば、まだこれから残りの道中に再出発する人も。その後は空港方面に向かい、そこから軍の施設内に入るのですが、そこがまたきれいな風景の連続。どんよりとした天気とひなびた町のイメージしかなかったヒロの印象が、私の中でどんどん変わっていきます。ちょうど雑誌の春号で花と緑の特集をしたこともあり、原生林へ愛情すら感じるようになっていた矢先でした。

 最後は海辺の直線コースを折り返し。でもきちんと同じ道の往復にはならないように、ビーチパークの中を縫ったりなど、飽きない工夫がされています。どこを走っても、「ああ、きれいだ...」と心をとらえる緑や海や花があふれています。ヒロってすごいかも、とだんだん美しいコースの虜になっていく自分。

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 くねくねと曲がって複雑な部分もありますが、すべての角には地元のボランティアが2-3名必ず待機していて、丁寧にランナーを導いてくれるので迷うことはありません。水の供給も十分。この辺の運営は、国際大会という名の通り、とてもきちっとしていたし、何よりもハワイらしい、ヒロらしい、のどかで暖かなホスピタリティにあふれていて素直に感動しました。

 何度も何度もボランティアの方たちに遭遇し、そのたびに「Thank you!」とランナーも声をかけます。それほどにランナーが少ないのです。1分に数名しか通らない中、じっと待っていてくれるボランティアには本当に頭が下がります。最後の10キロは、ランナー同士にも連帯感みたいなものが生まれてきて、道路の反対側ですれ違うランナーに手を上げて合図をしたり、追い抜くときには「もう少しだよ、頑張ろう!」と声をかけあったり。ああ、何と温かい光景なのでしょう。

 実際、走っていると、最初に調子が良くて飛ばした人が、ハーフを過ぎてガクンとスピードを落としたり、ハーフでスピードを上げた人が35キロを過ぎて歩き始めたり。マラソンは第二の人生という人もいますが、42キロの中には様々なドラマがあるもの。自分を追い抜いていった人が歩いてしまっていたら、自然と「Hey, we are almost there!」と言葉が出てくるものなのですね。私はずーっとトコトコとゆっくり同じペースで走り通せたので、後半は抜くことも多く、何人かにそんな言葉をかけていました。

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終点は、カメハメハ大王が見守る、ヒロ湾が見渡せるエリア。途中、晴れたり曇ったり、パラパラと雨が降ったりしましたが、何とか私も長い道中を終えて4時間44分でゴール! 5時間でいいや、と言いながらも、やっぱりちょっと頑張っちゃったりして。最後の7キロは足が痛くてたいへんでしたが、あんな練習でも、ちゃんとフルマラソンが走れちゃうんだ、それだけの体力が身体の中に刻み込まれているんだぁ、ということに驚くばかり。人間の身体の潜在能力って、スゴイではないですか。人間の可能性をリミットしているのは、まさに、できないと決めてしまう「意識」の方なのですね。

 ボランティアへのThank youも何十回言ったか分からず、終盤では、口にする度にじんわりと涙がこみあげてくるような、不思議な感動を覚えていました。あ、マラソン走って初めて泣いてる、と気づいて、そんな自分も不思議でした。フルマラソン参加の250名中、ちょうど真ん中の成績。スタートはビリだったので、そんなに抜いたのかどうか記憶にはありませんが、タイムも順番もどうでも良くて、美しいコースを気持ちよく走れた、そのことだけが記憶に刻まれました。

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日本からの参加者も10数名、いらしたようです。エントリーなどをお手伝いするスポナビ・ハワイさんももちろんスタート地点に。ヒロは、ひなびたダウンタウンもそうですが、マカデミア・ナッツの「マウナロア」や「ビッグアイランド・キャンディーズ」、天文学のミュージアム「イミロア」、熱帯雨林の「ハワイ・トロピカル・ボタニカル・ガーデン」、見事な「アカカ・フォールズ(滝)」&「レインボー・フォールズ」、そしてキラウエア火山国立公園と、見どころが満載。豪華なホテル施設はありませんけれど、数日過ごすにも十分なほど、味わい深い町なのです。

 来年も時間が許せば必ず出場いたします。エントリーや滞在についての情報は、スポナビ・ハワイをぜひチェックしてみてくださいね! 私は今、6月28日のハワイ島コナマラソンに向けて練習中です!

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