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オアフ島ノースの秘境、神話と自然の宝庫「カエナ岬」

オアフ島ノースの秘境、神話と自然の宝庫「カエナ岬」

ハワイの歴史・文化に詳しいライター・森出じゅんさんのコラム第19回。今回は、オアフ島ノースショアのカエナ岬(カエナポイント)に関するお話です。

公開日:2020.12.31

森出じゅんのハワイ歴史&神話散歩

州自然保護区の1つ。
ハワイ固有種に出会える!

ALOHA! ホノルル在住の森出じゅんです。

ハワイ文化に焦点を当て、ちょっと意外なハワイの横顔を紹介するこのコラム。今回はオアフ島ノースショアのカエナ岬(カエナポイント)をご紹介します。ノースショアといえばサーファーの聖地ハレイワが有名ですが、そこから車で行くこと20分。まずモクレイアビーチに車を止め、さらに海辺を歩いて90分!まさに最果ての地といえそうなカエナ岬は、私がハワイで一番好きなビーチです。

岬周辺はハワイ州の自然保護区になっており、しばしばモンクシールに出会えるほか、ナウパカやイリマの花など、ハワイ固有種の植物も豊富。ですが私がカエナ岬を愛する一番の理由は、ここがハワイアンの聖地であり、さまざまな神話の残る神秘の土地だからなのです。

ハワイ固有種のナウパカの花
 

モクレイアビーチ以西はモンクシールの出現率が高い
 

…ここで一帯の神話・伝説について語る前に、まずはカエナ岬の基礎知識から説明していきましょう。

カエナ岬はオアフ島最西端。ノースショアのモクレイアビーチ、また西海岸のヨコハマベイから約5キロの位置にあります。モクレイアとヨコハマベイをつなぐ道路がないため、どちらかに車を停め、約1時間半のハイキングを経て到達することになります。私はいつもモクレイア側から出発。平坦なトレイルが海岸沿いに続いており、風光明媚なうえ、迷う心配もありません。1時間近くも歩くと鉄柵で囲まれた地区があり、そこが自然保護区。二重のゲートを抜け、中に入っていきます。

ゲートの先が自然保護区
 

この自然保護区はアホウドリなど10種以上の海鳥、そしてハワイアンモンクシールの生息地。そのため、人気のハイキングコースともなっています。海がひときわ美しいのも、言うまでもありません。

 

オアフ島でカウアイ島に一番近い地。
カウアイ島絡みの神話がたくさん

カエナ岬は古来、文化的にも重要な地域でした。灼熱の地で水が少なく、ハワイアンの大集落こそできませんでしたが、いくつかの住居跡や漁業の神の祭壇跡が見つかっています。一帯には巨岩が多いため石切り場として使われたり、海塩の採取のためハワイアンがこの地に通ったこともわかっています。

ちなみにオアフ最西端のカエナ岬は、オアフ島で(隣の)カウアイ島に一番近い土地でもあります。晴れた日には、カウアイの島影が見えることも。そのためカウアイ島にちなんだ神話がいくつも残り、うち1つが、カエナとの地名にちなんだ以下の物語です。

海の美しさもオアフ島指折り
 

大昔、カエナ岬の対岸にあたるカウアイ島の海辺に、ハウプという怪力の酋長が住んでいました。ある深夜、海から聞こえる賑わいに目覚めたハウプは、オアフ島からカヌー軍団が攻めてきた! と勘違い。寝ぼけ眼で眺めた沖の灯りを、オアフ軍の松明と早とちりしたのです。実はそれは、対岸に住んでいた若き酋長カエナと一行が、夜釣りに興じる姿だったのですが…。

そこでハウプが巨大な岩を沖の灯りに投げつけると…。運悪く、一行の中心で釣りをしていたカエナに当たり、カエナは即死してしまいました。以来、カウアイ島対岸のその地は亡き酋長の名のカエナと名づけられ、今にいたっています。

もう1つ、カエナとは火山の女神ペレとともにタヒチからやって来た従兄弟の名だ、という説もあります。カエナは一行と離れてこの海辺に住み着き、この地がカエナと呼ばれるようになったとか。

 

半神マウイや女神ペレが佇んだ岩や
魂があの世に飛びたつ岩もここに

カエナ岬にはハワイの英雄、半神マウイとカウアイ島にまつわるユニークな伝説も残っています。ポハク・オ・カウアイ(カウアイの岩)と呼ばれる岩が浅瀬に鎮座しているのですが、これは元々、カウアイ島の一部だったそう。ある日、島々をたぐり寄せて1つの大きな陸地にしようと考えた半神マウイ。魔法の釣り針をカウアイ島に引っかけ、怪力で引っぱると…。なんと釣り針のかかっていた巨岩だけが、カエナ岬まで飛んできたそうです。なのでその巨岩はポハク・オ・カウアイと名づけられたわけですね。

海に伸びる岩々の先端がポハク・オ・カウアイ
 

ポハク・オ・カウアイは大昔のハワイで、よほどカウアイ島に近々の場所との印象が強かったのでしょうか? この岩の上に立った火山の女神ペレの魂がカウアイ島のヘイアウ(神殿)の賑わいを聞きつけ、カウアイ島に飛んでいった…との物語も残っています。

このように多々の言い伝えが残るカエナ岬でも、特筆すべきは、ハワイアンの魂があの世に旅立つといわれる岩レイナ・ア・カ・ウハネでしょう。古代ハワイでは、あの世の入口と信じられた場所がいくつかありました。「神話の宝庫、オアフ島カネオヘ湾」でもその1つを紹介しましたが、中でも名高いのがこのレイナ・ア・カ・ウハネ。死んだハワイアンの魂はこの岩の上から飛びたち、善良な魂は右へ、邪悪な魂は左へと分けられたという言い伝えがあります。

レイナ・ア・カ・ウハネ。この岩の上から魂があの世に飛びたつといわれる
 

このように自然の素晴らしさに加え、歴史や文化のうえでもハワイアンにとっての聖域だったカエナ岬。トレイルには日陰がほぼないので小さなお子さんには辛いですが、ハイキングに慣れた方なら、水の用意や日焼け止め対策をしっかりした上で訪れてみてください。岬まで歩かず、モクレイアビーチからほんの数十分歩くだけでもさまざまな植物が見られますし、モンクシールに出会うチャンスも大! なるべく朝早くハイキングを始め、足元はウォーキングシューズがオススメです。

 


 

さて最後に2つ、嬉しいお知らせをシェアさせてください。このコラムでたびたび紹介させていただいた幣著「やさしくひも解くハワイ神話」が、なんと出版元であるフィルムアート社の2020年度売上げランキング中、7位に輝きました!近年の出版不況下、しかもコロナ禍のロックダウンの折りにも多くの方々に同書を読んでいただけたこと、感謝に堪えません。有難うございました。

また、昨年から手がけていたハワイ州観光局のマウイ島ラハイナ版歴史ガイドが、いよいよ同サイトで公開されました! まずはEBOOKの公開で、紙版は来年、タイミングを見ながらの配布となります。こちらもぜひ、ご覧くださいね。

ということで、2020年も有難うございました。2021年もよろしくお願いいたします! 2021年が日本&ハワイにとって素晴らしい年となりますよう、ハワイからもお祈りしています。MAHALO & ALOHA!

森出じゅん/JUN MORIDE プロフィール

オアフ島ホノルル在住。横浜出身。青山学院大学法学部卒業後、新聞・雑誌・広告のライターとして活動。1990年、ハワイ移住。フリーランスのジャーナリストとして活動するかたわら、ハワイの文化や歴史、神話・伝説、民間伝承を研究中。単に「美しいハワイ」にとどまらないハワイの奥深い魅力、真の姿を日本に発信すべく、執筆を続ける。2012年からハワイ州観光局の文化啓蒙プログラム「アロハプログラム」講師。著書に「ミステリアスハワイ」(ソニーマガジンズ刊)、「ハワイの不思議なお話」(文踊社刊)、「やさしくひも解くハワイ神話」(フィルムアート社)がある。

☆ブログ「森出じゅんのハワイ生活」>>

☆ハワイ州観光局アロハプログラム>>

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