よしみだいすけのフラナビ・コラム:メレ(うた)を旅するハワイ

よしみだいすけのフラナビ・コラム:メレ(うた)を旅するハワイ

よしみだいすけさんが綴るコラム第13弾。ハワイ最大のフラ競技会が毎年開催されるフラダンサーの聖地、ハワイ島ヒロのハワイアン・ソングをご紹介!

公開日:2019.04.01

更新日:2020.01.16

よしみだいすけのフラナビ・コラム

メレ(うた)を旅するハワイ
第十三回:ハワイ島ヒロ

メレ(mele)とはハワイの歌のこと。
古来よりハワイの人々は、愛し大切にする土地・場所を歌にしてたたえてきました。その文化は今も受け継がれていて、特定の場所をたたえる新しいハワイ語の歌が今も日々生まれています。

ハワイ語の歌に、ハワイのどんな景色が描かれているのでしょうか?毎月メレに歌われるハワイの場所を訪れて、そこで見る景色をご紹介しています。

第13回となる今回の訪問先は、ハワイ島ヒロです。

ハワイ島の中で、もっとも多くのハワイアン・ソングに歌われている地名は何だと思いますか?「たくさんのメレから集めた言葉たち」シリーズ3冊300曲分のデータを元にトップ3を割り出したら、結果はこのようになりました。

3位 プナ
2位 マウナケア
1位 ヒロ

3位、2位の場所はこのコラムですでに訪れたので、今回は1位のヒロです。ヒロってどこにあるの?というあなたは地図を確認ください。

「ヒロ Hilo」とは、ハワイ島の東側の中心地で、ヒロ市、ヒロ湾、ヒロ港、ヒロ国際空港、ヒロ森林保護区の所在地です。ハワイ語で「新月」の意味、また伝説のポリネシア航海師の名前が地名の由来とも言われています。ハワイ最大のフラ競技会「メリー・モナーク」が毎年開催されるフラダンサーの聖地でもあります。(ハワイ州観光局アロハプログラムの関連記事はこちら>>

今年2019年のメリー・モナーク・フェスティバルは4月21日の週に開催です。
今月賑わうヒロ、歌の中ではどのように描かれているのでしょう?
フラソングのスタンダード、『ヒロ・フラ』にはこう歌われます。

Kaulana mai nei ʻo Hilo ʻeā
Ka ua Kanilehua ʻeā
Ka ua hoʻopulu ʻili ʻeā
Ka ʻili o ka malihini ʻeā

ヒロはよく知られる
カニレフアの雨で
肌を濡らす雨
訪問者の肌を
[Hilo Hula]

ハワイ島ヒロの名物である雨、池、川、小島、花を順にたたえるご当地ソング『ヒロ・フラ』。一番の歌詞に出てくる「カニレフア」とは、ヒロに降る雨の愛称です。他にもワイアケア、ワイオラマ、モクオラといったヒロの地名が歌われています。
ワイアケアはこんな場所。

『クヒオ・ベイ』という曲にもヒロのワイアケアが登場します。

ʻAkahi hoʻi a ʻike kuʻu maka
I ka nani aʻo Waiākea
ʻAʻohe lua e like ai
Me ka nani a me ka nani aʻo Kūhiō Bay

初めてこの目で見る
ワイアケアの美しさ
比べものにならない
美しさ、クヒオ湾の美景

「ワイアケア」はハワイ島ヒロ郊外にある池と川の名前で、意味は「幅広い水」。名前のとおり大きな池です。ヒロ・タウンの東の外れに位置し、池はクヒオ湾の海につながっています。

『ヒロ・フラ』や『クヒオ・ベイ』『ヒロ・エ』の中で美しい場所として歌われるワイアケア。安らかで穏やかな気持ちになる水辺でガチョウたちがくつろいでいるのを見ると、半世紀前の津波に襲われる以前はこの辺りが一番栄えていたなんてちょっと信じられないくらいです。

『クヒオ・ベイ』に歌われるクヒオ湾とそこに浮かぶ小島モクオラのことは『カウラナ・オ・ヒロ・ハナカヒ』にも描かれています。

Waiānuenue e pipiʻo nei
Kūhiō Bay a he kai malino
Mokuola noho i ka laʻi
I ka holu nape lau o ka niu

レインボーフォールズに虹がかかる
クヒオ湾には静かな海
モクオラは静かに座る
ヤシの葉音をならす風の中
[Kaulana ʻO Hilo Hanakahi ]

「癒しの島」という意味の「モクオラ」はヒロ・ハワイアン・ホテルとリリウオカラニ・パークの間の海岸から歩道の橋でつながった小島。通称ココナッツ・アイランドで、その名のとおりたくさんのヤシの木が気持ちのいい風に吹かれてカサカサと葉音を鳴らしています。

何気ない佇まいですが、その昔はヒーラーがここでヒーリングをしたパワースポットなんですよ。

ハワイ島ヒロをたたえるメレに描かれる景色をご紹介しました。
ワイアケア、モクオラともメリー・モナークの会場から徒歩圏内なので、観戦予定のあなたは散歩がてら立ち寄ってみてください。願わくば『メレ旅』下巻を持って!


◆お知らせ◆
メレの中のハワイ語がすぐわかる本『たくさんのメレから集めた言葉たち』が電子書籍になりました。

フラ・ナビゲーターよしみだいすけ講演・セミナー情報はこちら 
http://www.yoshimidaisuke.com/pages/1040207/page_201706020227

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よしみだいすけ
Daisuke Yoshimi
文筆家、フラナビゲーター
ハワイ州観光局アロハプログラム講師、フラやハワイ音楽に傾倒するハワイ・スペシャリストとして、ハワイを拠点に執筆・講演活動を行う。

●著書
たくさんのメレから集めた言葉たち(1〜4)
メレ旅(上下巻)
Live Aloha アロハに生きるハワイアンの教え

公式ホームページ
フラダンサーのためのオンデマンド講座

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