メレ（うた）を旅するハワイ
第六回：オアフ島コオラウ

メレ(mele)とはハワイの歌のこと。
古来よりハワイの人々は、愛し大切にする土地・場所を歌にしてたたえてきました。その文化は今も受け継がれていて、特定の場所をたたえる新しいハワイ語の歌が今も日々生まれています。

ハワイ語の歌に、ハワイのどんな景色が描かれているのでしょうか？
毎月メレに歌われるハワイの場所を訪れて、そこで見る景色をご紹介しています。

第6回となる今回の訪問先は、オアフ島コオラウです。

オアフ島の中で、もっとも多くのハワイアン・ソングに歌われている地名は何だと思いますか？
『たくさんのメレから集めた言葉たち』シリーズ3冊300曲分のデータを元にトップ3を割り出したら、結果はこのようになりました。

1位　マノア（https://www.aloha-street.com/article/2018/04/277979/）
2位　ヌウアヌ（https://www.aloha-street.com/article/2018/07/286731/）
3位　コオラウ

1位、2位の場所は、このコラムですでに訪れたので、今回は3位のコオラウです。
コオラウってどこにあるの？というあなたは地図を確認ください。

「コオラウ」とは、オアフ島の山脈の名前です。オアフ島には２つの山脈が並んでいますが、コオラウは東側のより長い距離を走る山脈です（ちなみに西側はワイアナエ山脈）。

そして歌に歌われる「コオラウ」は、ウィンドワード側のワイマナロ〜カイルア〜カネオヘ辺りから見た山の景色です。

こちらがカネオヘ側から見たコオラウの景色です。

では、歌の中でコオラウはどのように描かれているのでしょう？
ケアウホウの『ナニ・コオラウ Nani Koʻolau』にはこう歌われています。

Nani Koʻolau a he pō anu
Ka ʻiniki welawela a ka Makasila
I laila kāua i walea ai
Me ka wai ʻo ka ʻūlālāʻēhō
美しいのはコオラウ、森の冷気に包まれて
刺すような冷たさ、大切な友達
そこで寛いでいる私達ふたり
喜びの水とともに

コオラウをバックにクアナ・トレス・カヘレが歌う『カネオヘ Kāneʻohe』にはこう歌われます。

Me ka ua ʻĀpuakea
Ka laʻi aʻo Mololani (Malulani)
Me ke anu o ke Koʻolau
アプアケアの雨と
静かなモロラニ（マルラニ）
コオラウの冷気

そしてもう一曲、ネイサン・アヴェアウの『コオラウ Koʻolau』はこう歌います。

Hōʻoluʻolu ka makani lā
O ka Koʻolau, au nāʻū lā
心地よく吹いてくる
コオラウの風にため息

どのメレからも、コオラウの山に吹く風と森の冷気の気持ち良さが伝わってきますね。
コオラウの山中にはたくさんの滝が流れています。その中の一つがこのメレに歌われています。

『ハママ・イ・カ・イウ Hāmama i ka ʻIu』
Mau loa kuʻu ʻiʻini e ʻike hou iā ʻoe
Mai ka lā hiki a ka lā kau
Kū kilakila I ke alo pali o nā Koʻolau
ʻO Hāmama i ka ʻiu
再びあなたに会いたい想いは募る
日の出から日の入りまで
コオラウ山脈の崖に高々と
聖なるハーママ

このメレが大好きなぼくが、実際にハママの滝を訪れたときの動画はこちら。

オアフ島でもっとも歌になる場所のひとつ、コオラウを描くメレを集めてご紹介しました。次のハワイでは、ぜひあなたもその目で島の人々に愛されるオアフ島の山を愛でに！

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