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オアフ島のソーミルで、木の声を聴く木工職人

オアフ島のソーミルで、木の声を聴く木工職人

オアフ島の木材製材工場(ソーミル)を営む、ウッドアーティストのジョシュアさんに会ってきました。

2018.01.10

特別企画&レポート

※記事の一部を訂正しました(2018年3月19日)

 

アロハ! メグミです。

突然ですが、まずはこちらの動画をご覧ください。
できれば音楽アリでの再生が、おすすめです!

ストーリーは、こんな感じ。

窓辺にたたずむ、美しいカップル。
ホテルでしょうか? まるで、日本の旅館のような感じもしますが…。

でも、じつは…?

動いている!

 

なんと、移動中の「小さなおうち」の中だったのです。

 

トラックに引かれて、カイルアのとある場所、「スリーピークス」と呼ばれるオロマナ山脈のふもとに到着。

 

 

私、この「小さなおうちがトラックで牽引されながら、美しいハワイを旅する動画」を見て、グワシッと胸をわしづかみにされました。

調べてみると、背景にあるストーリーも、かなり素敵なんですよ〜。

 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

ことの始まりは、カイルアに土地を持つ、とある方からの依頼。

「うちの土地に生えている木を切ってくれたら、その木はすべて、あなたにさしあげます」

という話が、木工職人のジョシュア・ボウルズさんに舞い込んできました。

ジョシュアさんは、喜んで木を伐採。たくさんの木をくれたお礼にと、切った木の一部を使って、小さなおうちを作り、持ち主にプレゼントしました。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 

この動画は、ノースショアにある木工場から、木を切ったカイルアへと、小さなおうちを運んでいる様子が収められたものなんです。

切られた木が、小さなおうちに姿を変え、生まれ育った土地に戻ってくる…なんだか、とってもロマンチックじゃありませんか?

 

この「小さなおうち(Tiny House)」プロジェクトは、ハワイの地元紙でも大々的に紹介されました。

 

こんな粋なことをするのは、どんな人なんだろう?
気になったので、思い切って、会いに行ってきました!

 

 

向かったのは、広い空の下、真っ赤な赤土の大地が広がる、ワヒアワ。

こちらが、ジョシュアさんの木工場「LYRIC Woodworking(リリック・ウッドワーキング)」

Google Mapにも詳細が出てこない、住所で検索してもおかしな場所にポインターが立ってしまうような、知る人ぞ知る場所です。

 

こちらが、動画にも出ていたジョシュア・ボウルズさんです!

佇まいが、アーティストですね。
木工職人というから、作業着な人を想像していたのですが、シャンブレーのシャツに黒ジーンズ、革靴というオシャレさ。

 

じつは、オアフ島は広しといえど、商業ベースで活動しているソーミル(木材製材工場)は、こちらを含めてごくわずか。私は、「小さなおうち」のことを聞くまで、オアフ島にソーミルがあること自体、まったく知りませんでした。

 

どこからどこまでが敷地なのか分からないほど広大な赤土の草原の中、ゴツゴツとした巨木が、ゴロン、ゴロンと無造作に置かれています。

切った後の、余った部分でしょうか?

 

「ふふ。ゴミみたいに見えますか? こんなボロボロの木でも、割ってみると、美しい木目が現れてくるんですよ。ちょっと、お見せしましょう」

 

た、たしかに、美しい…。

 

家の裏庭に打ち捨てられた木、庭から道路にはみ出している木、所有している土地で勝手に生えて育っている木…。そんな、持ち主が処理に困っている木を、無料でゆずり受けることも多いと、ジョシュアさんは語ります。

 

 

「伐採されたまま放置され、持ち主もどうしていいかわからない、捨てるのも大変だから助けてくれ…なんていう事もあります。私からすれば、それは隠された財宝ですよ(笑)。よろこんで、飛んでいきます」

 

 

マンゴー、ライチ、モンキーポッドなど、ハワイで育つ樹木は、美しいだけでなく耐久性にも優れていて、家具には最適なのだとか。
ハワイの樹木といえば、コアウッドぐらいしか知らなかった〜。

ゴツゴツの皮がついたままの丸太たちは、私には枯れ木にしか見えないのですが、「これはマンゴー、これはオアフのコアウッド」と、説明していくジョシュアさん。

 

 

「木は、切ってから1年、2年と乾かしてから使います。その間、この木で何をつくろうか…と考えるのが、楽しいんです」

 

 

ジョシュアさんが、このオアフ島では数少ないソーミル(木材製材工場)「Lyric Woodworking(リリック・ウッドワーキング)」を設立したのは、2011年のこと。
伐採した木を木材や家具に加工するのが主な仕事ですが、先ほどの話のように、頼まれれば木を切りに行くこともあります。

 

アメリカ本土生まれのジョシュアさんは、木工職人の5代目として生まれました。

おじいさんはシェーカー家具の職人、お父さんはヴィオラなどを作る楽器職人。
子どもの頃はおじいさんの手伝いをして育ち、木や道具の扱い、職人の技を隣りで見て覚えていったと言います。

 

なんと、シェーカー家具職人だったおじいさんは、日本の道具を愛用していたのだとか。

さらに、ジョシュアさんが20代になった頃、日本の木工職人と出会い、と同時にノコギリやカンナ、彫刻刀とも出会います。以降、ジョシュアさんの愛用の道具として、なくてはならないものに。

 

木槌でたたいてカンナに刃を入れます。

「平常心・道」。武士道や仏門にも通じそうな言葉ですね。黙々と作業するジョシュアさんの姿が目に浮かびます。

 

 

そんなジョシュアさんの生み出す家具が、こちら!

 

 

どうですか?
シンプルで、ちゃんと機能性が重視されていながらも、大胆なデザインですよね。

無駄なものがない、「削ぎ落とした感」が、なんだか、禅の精神を感じさせます。

そう伝えたら、じつはジョシュアさんはヨガの先生でもあるそうで、最初にハワイに来たのはヨガをするためだった…という話を聞き、みょうに納得してしまいました。

職人であり、アーティストであり、修行僧のような雰囲気なんです、この方。

 

 

「大量生産される家具は、値段が安くて誰でも手に入れやすい。それは素晴らしいことがですが、でも、そういった効率化された環境では絶対に生まれない、その木ならではの美しさと強さをたずさえた道具を、ここでは日々、作っています」

 

 

ジョシュアさんの仕事は、すべてオーダーメイド。
椅子やテーブルなどの家具から、キッチンカウンターといった建物の一部まで、クライアントの希望を叶える「唯一無二のウッドワーク」を生み出しています。

「ラニカイジュース」のカカアコ店とカハラ店のウッドカウンターや、ダウンタウンのレストラン「パイホノルル」のチェックボックスといった、商業施設のお仕事も手がけています。小さいものから、大きなものまで。

 

出来上がった家具は、日本に送ることも可能。
たとえばハワイに来た時に、ソーミルに来て好きな木を選び、その木で家具を作ってもらい、出来上がったら日本へ郵送してもらうことも、できるそうです。

いいなあ、ジョシュアさんの家具がある暮らし…。

 

ハワイの太陽と空気の中、何十年という時間をかけて育ってきた木。
放置され、ひっそりと時を重ねてきた、木。

そんな木に耳を傾け、削り、磨き、組み上げる。
風が通り抜ける、赤土の草原にあるソーミルで。

 

そんなジョシュアさんの作る家具を、いつか私も、自分のおうちに迎えられたら…。そんな、あたらしい夢がひとつ、できました。

 

※訂正のお知らせ:
こちらの記事内で「オアフ島で唯一のソーミル」という表現がありましたが、ほかにもソーミルがあるという読者の方からのご指摘を受け、該当部分の表現を変更いたしました。また、記事内で「ソーミル(木工場)」と記載していましたが、「ソーミル(木材製材工場)」に変更いたしました。訂正し、お詫び申し上げます(2018年3月19日現在)。

この記事を書いた人

マローン恵(メグミ)

アロハストリート副編集長。ワイキキ、マノア、モンサラット、マキキを経て現在はカイムキ在住。好きなものは地ビールと地コーヒーと地チョコレート(全部発酵食品!)。ハワイ島取材班としても意欲的に活動中。

Twitterアカウント:@Megumiinhawaii

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