ビッグアイランド・アバロニ ハワイ産アワビってどうなの?現地で確かめてきた!
海洋深層水と特許申請の海藻で養殖するビッグアイランド・アバロニの活アワビ。本当に美味しいかどうか確かめてきました!
公開日:2016.04.20
更新日:2018.12.04
※この記事は2016年4月20日に公開されたものです。
アロハ! メグミです。
フォアグラ、キャビア、松茸、フカヒレ、ツバメの巣...。
憧れの高級食材は、レストランで勇気を出してオーダーしても、お料理の上に少しだけちょこんとのっているだけで、味がよくわからないと思いませんか?(高級食材と縁遠いのは私だけ…?)。
しっかりと味や歯ごたえ、舌触りが感知できるほど、高級食材をたっぷりと食べてみたい!
その高級食材とは、今回の場合...
(写真:寿司しおの)
そう、アワビです!
この写真ぐらい大粒なアワビを、まるごとパクッと食べることができたら、アワビの高級食材としての凄さを実感できるはずですよね。
はい、正直、疑ってます。
「アワビって本当に美味しいの?」と。
いや、美味しいんだろうとは思います。しかし、たいていの貝はどれも美味しいので、ほかの貝に何倍もの値段格差をつけられるほどズバ抜けて美味しいのか、そんな差があるなら実感してみたい。
アワビの実力を、アワビの底力を確かめたい!!
...ということで、リツコ編集長と一緒に、やってきたのがこちら。
ハワイ島コナでエゾアワビの養殖を行っている「ビッグアイランド・アバロニ」です。
ハワイ島コナ空港のすぐ近く、国道19号線沿いをドライブすること数分、大きなソーラーパネルが建つハワイ州立自然エネルギー研究所(NELHA)が見えてきます。ビッグアイランド・アバロニは、NELHAの脇の道を入り、海方面にずっと進んだところにあります。
こちらがミスター・アワビ!
ビッグアイランド・アバロニの代表・新井宏さんです。険しい表情が、俳優の寺島進を彷彿とさせます。
今回は特別に、新井さん自ら養殖場を案内していただけることに。よろしくお願いします!
「まずはアワビがどんな生き物なのか、見てみましょう(新井さん)」
見学者用に設置された水槽をのぞき込み、どれがいいかな〜、あ、これがいいかな〜、と言いながらアワビをつかんで水槽から取り出す新井さん。急にやさしい表情になって、なんだか孫やペットに接しているかのよう(笑)。
これがアワビの貝がら部分。一瞬、オカリナにも見えますが、半円状に並んだ穴は息をするための穴で、この穴の数は年月とともに増えていくんだとか。樹木の年輪と同じですね。
裏返すと、こんな感じ。
アワビは一枚貝で、本体(?)の身体に貝がペトッとくっついている、ちょうどカタツムリと同じような構造になっています。なんだか愛嬌があって、かわいい顔してるなあ。
「元気がいいですね〜!美味しそう〜!!(リツコ)」
アワビの身をベロンとめくると、貝と身の間に生殖腺が見えてきます。メスの卵巣は緑色、オスの精巣はクリーム色なので、このアワビはメスなのだそうです。
「まあ、オスでもメスでも味は同じなんですけどね(新井さん)」
アワビの成長過程。
稚貝の時から同じ形のまま、ぐんぐん大きくなっていきます。33カ月で手のひらサイズの立派な大粒アワビに成長するんですね〜。
「天然ものだと、この大きさになるまでに7年ほどかかります。うちでは、水や飼料などアワビにとって最高の環境を整えているので、成長が速く、形が良くて元気なアワビが育つんですよ(新井さん)」
アワビにとって最高の環境...気になります。そこんとこ、詳しく見せてください!
●最高のアワビのために...①海洋深層水で育てる
そう、ここのアワビは、ハワイ沖、海抜900mの深海から組み上げられた海洋深層水で育てられているのです。すごくないですか?
海洋深層水といえば、ペットボトルの飲料水としてもお馴染みですが、普通のミネラルウォーターよりもかなり割高ですよね。このタンクには、まっさらな海洋深層水がゴウゴウと流れ、かなりの水量を使用している様子。なぜそんなことが可能なのでしょう? そしてコストもバカ高いのでは?
その秘密は、立地にありました。ビッグアイランド・アバロニの養殖場があるのは、ハワイ州立自然エネルギー研究所(NELHA)のすぐ近く。NELHAは海洋深層水をエネルギーに利用する研究を行っている政府機関で、深海900mからの海水の組み上げも行っています。
この養殖場では、NELHAが組み上げた海洋深層水をパイプで引き入れているため、清浄でミネラル豊富なとれたての海洋深層水を潤沢に使用することが可能なんですね。すごい!
「アワビは低めの水温で育つのですが、深海から引き上げたばかりの水だと冷たすぎるので、これらのタンクで表層水と混ぜ、適温に調整しています。そのため、アワビの水槽は季節や天候に左右されることなく、一年中いつも適温に保つことができるんです(新井さん)」
見渡す限り広がるアワビの飼育水槽。源泉掛け流しならぬ、海洋深層水のかけ流し! 豪華ですね〜。24時間ずっとかけ流し状態なので、水槽の水はいつも澄んでいて清潔。そのためアワビは病気にかかることもなく、身も貝がらもピッカピカのピッチピチ!
「うちのアワビは肝にも臭みが一切なく、刺身で食べても絶品とご好評いただいています(新井さん)」
●最高のアワビのために...②エサとなる海藻が超スペシャル
こだわりは海洋深層水だけじゃない! なんと、アワビのエサとなる海藻まで自前で養殖しているというのです。しかも、特許を取得した特別な海藻なのだとか。すごい〜。
見るからにシャッキシャキの海藻。これだけで美味しそうです。
「この海藻は、根を持たないため、回流する水の中をくるくると回ります。そのため汚れが付着することなく、いつも清潔で新鮮。これがアワビの元気の素ですね(新井さん)」
次に、アワビの成長する様子を見せていただくことに。
こちらが生後3〜4カ月の稚貝のタンク。水中に沈められたプレートを引き上げると、たくさんの赤ちゃんアワビたちがくっついていました。かわいい〜!
稚貝を裏返してみると...しっかりアワビの身が!
自力でなんとか体制をひっくり返そうとふんばっているアワビ・ベイビー。かわいいなぁ。こうしていろんな姿のアワビを見てみると、愛着が湧いてきて、食べるのがためらわれてきますねぇ...。
「わ〜、ちっちゃいけど、お味噌汁とかに入れたら美味しそうですね〜!(リツコ)」
こちらは2年以上のアワビの水槽。しっかり、ずっしり育ってます。水から引き上げると、異変を察知してキュッと身を固くするアワビたち。いじらしいなぁ。
「身が引き締まってて、美味しそうですね〜!(リツコ)」
「水がもったいないので、最近、一緒にナマコの養殖もスタートしたんですよ(新井さん)」
水槽の上のほうにはアワビのプレート、水槽の底部分にはナマコという風に、住空間が分かれているため同時に養殖が可能なのだとか。頭いい! そしてナマコ、ぷくっとしていてカワイイですね。
「私、ナマコが大・大・大好物なんです! 三杯酢でツルッといくのが最高なんですよね〜!(リツコ)」
...さっきから何なんだ。私とリツコ編集長の心のギャップが大きすぎる。
養殖場を見学した後、併設のオフィスで少しお話を伺いました。
アワビは出荷できるまでに最低でも2年、大ぶりなアワビにするには3年かかること。水質管理や上質なエサの供給などなど、飼育そのものにも設備投資にもコストがかかること。ゆえにアワビの養殖は「割の良いビジネスではない」こと。そのため、世界各地のアワビ養殖業者が次々と廃業していること...。
お話を聞いていると、愛情と情熱がないと続けていけない、とても苦労の多いビジネスであることがわかります。だからこそ、やりがいもひとしお、なんでしょうね。
おみやげ用のアワビの缶詰。すぐに食べられるように加熱調理してあります。缶詰加工はハワイ島の養殖場ではできないため、アメリカ本土に活アワビを郵送し、缶詰に加工してハワイ島へ送り返しているもの。手間もコストもかかってます。
「表面にフジツボや海藻が一切ついていない、清潔で活きが良く、味も最高のアワビはビッグアイランド・アバロニだけ。ハワイや日本、アメリカ本土の数多くの有名シェフやレストランからご愛顧いただいています。肝まで美味しい私たちのアワビを、ぜひご賞味ください(新井さん)」
ハワイ島の養殖場では、アワビの直売も行っています。保冷剤を入れて冷蔵すれば、2〜3日はもつそうなので、帰国する前に購入し、日本に帰ってからご自宅で活きアワビを刺身で...なんてことも可能。なにより養殖場の直売では、大粒サイズが手に入るので、最高のおみやげになりますよ〜。
私たちも、大粒のアワビをしっかりゲット。さあ、これから宿泊のコンドミニアムに戻って、調理といきますか!
いよいよ大粒アワビを実食!お味やいかに!?>>
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この記事を書いた人
マローン恵(メグミ)
ワイキキ、マノア、モンサラット、マキキ、カイムキを経て現在はヌウアヌ在住。好きなものは地ビールと地コーヒーと地チョコレート(全部発酵食品!)。ハワイ島取材班としても意欲的に活動中。
Twitterアカウント:@Megumiinhawaii
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