ハワイ州内にある医療機関が、世界的な放射線科医不足の影響を強く受けていることが明らかになった。
クイーンズ・メディカルセンターは先週、CTスキャン、PETスキャン、MRIなど、放射線科医による検査が必要な画像が大量に滞留しており、約8,000枚の画像が審査待ちであると報告。ハワイ医療協会のヒルトン・レーテル会長は「病気の診断と治療に不可欠な画像のチェックを行う放射線科医が不足していると、かかりつけ医や内科医、外科医であっても、検査結果が返ってこなかったり、遅れたりすれば、手術や治療の予定を立てることができません」とし、放射線科医の不足により、治療が遅れる可能性があると指摘している。
クイーンズ・ヘルス・システムズの最高執行責任者であるダーレナ・チャドウィック氏は「放射線科医は緊急患者や、近々診察や手術を受ける予定の患者を優先しているほか、遅延に対処するために日々精力的に取り組んでいます」とコメントするとともに、放射線科医不足を解消するため、積極的に放射線科医を募集したり、臨時の放射線科医も雇用しているほか、バーチャルでスキャン画像を読影することができる、遠隔地の放射線科医の活用も行っているとしている。
なお、ハワイ州では放射線科医だけでなく、放射線技師の不足も深刻で、ハワイ医療協会は、2024年には州内で勤務する放射線技師が111人不足すると予測しており、これは2022年の予想より30%以上増加している。
参考:ハワイ・ニュース・ナウ