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ハワイ島ヒロの聖なる小島、ココナッツアイランド

ハワイ島ヒロの聖なる小島、ココナッツアイランド

ハワイの歴史・文化に詳しいライター・森出じゅんさんのコラム第8回は、ハワイ島郡の紋章にも登場する聖地、ココナッツアイランドについて。

公開日:2018.11.16

森出じゅんのハワイ歴史&神話散歩

ヒロ湾に浮かぶ小島は
知る人ぞ知るハワイアンの聖地

Aloha! ホノルル在住の森出じゅんです。

つい先週、ハワイ島&マウイ島に行ってきました! 前回もお話ししたハワイ州観光局の文化啓蒙プログラム、アロハプログラム主催のツアーが再度行われ、今度はハワイ島ヒロに4泊、そしてマウイ島カアナパリに2泊。日本から参加した皆さんと一緒に、またも超ディープなハワイを体験してきました~。

忙しい日程のなか、今回のヒロで、どうしても参加者の皆さんをお連れしたかった場所がありました(&ご案内できてうれしかった!)。…皆さんはヒロ湾にぽっかり浮かぶココナッツアイランドをご存知でしょうか? バニヤンドライブ沿いにあるヒロハワイアンホテルの裏手から橋で繋がった、ごく小さな島なのですが、日本ではあまり知名度が高くない様子。

ヒロハワイアンホテルとは短い橋で繋がっている


ですがじつはこの島、ハワイ島指折りの聖地なんです。さまざまな神話や伝承がこの島には残り、ハワイ島郡の紋章にもマウナケア山、マウナロア山などの高山に囲まれて、その姿が刻まれているほど。そこで今回は、ヒロが誇る聖なる島、ココナッツアイランドをテーマにお届けしましょう!

癒しを司るカフナが
病人のために祈祷した地

今でこそココナッツアイランドと呼ばれますが、古来、この島は、モクオラとの名で親しまれてきました。ハワイ語でモクは島、オラは癒しや生命。つまりは癒しの島という意味ですね。

かつてこの島には癒しを司るカフナ(神官)が常駐し、病いからの回復を求める人々に癒しの儀式を授けていました。島のすぐ先に、周囲に淡水が湧き出る岩があり、病人は泳いでその岩を一周。もし病状が悪すぎる場合は付き添いが代わりに岩を一周し、その間カフナは病状の回復を求めて神に祈祷を捧げたそうです。

ヒロハワイアンホテル裏には、ココナッツアイランドの古称を示した看板も


ちなみにハワイでは昔から淡水と海水の混ざる地点には癒しのマナ(霊力)が宿るという信条があり、くだんの岩も、そんなスポットのひとつだったようです。この連載の第1回で紹介したワイキキの癒しの海カヴェへヴェへも、同様に淡水が湧き出るスポットだったのを、覚えていますか?

2重、3重の意味で
人々に崇められた島

そんな癒しのマナが溢れる地だったせいもあるでしょう。モクオラはさらに、ハワイ語でプウホヌアと呼ばれた避難所としても機能していました。生死に関わる厳しい掟も多かった古代ハワイ。ですが敗残兵でも規律を犯した罪人でも、そこに逃げ込んで儀式を受ければ命が助かるという避難所が、あちこち設けられていたのも事実。いわば、当時の厳しい掟の救済措置的な聖地が、プウホヌアだったんですね。モクオラは、そのプウホヌアの一つでした。

ちなみにヒロの王族やカフナは昔、大変な聖域だったモクオラに、子どもの臍の緒を隠したとか。日本と同じく、ハワイには臍の緒を重要視する文化がありました。臍の緒は子どもと母、さらには先祖との繋がりの象徴とされ、臍の緒に関わる諺がいくつもあるほど。臍の緒の行方が赤ん坊の未来を占うともされ、そのためハワイアンは、聖地モクオラに、臍の緒を隠した(託した)のだと思います。

半神マウイと
モクオラの関係

最後にもうひとつ、モクオラにちなんだユニークな神話もご紹介しましょう。2016年に公開されたディズニー映画「モアナと伝説の海」でお馴染みの、半神マウイが登場する物語です。なんとモクオラは、元はマウイ島の一部だったそうです!

昔々の大昔。半神マウイは力自慢の男たちを集めて、宣言しました。「これからマウイ島をハワイ島まで引っ張ってくるゾ」。魔法のカヌーを持っていたので、どこにもひとっ飛びで行けた半神マウイ。ですが人間はそうもいきませんよね。一生懸命にカヌーを漕いで島間を旅していた人間たちを見て、やさしい半神マウイはいつも気の毒に思っていました。「島と島がくっついていたら、人間たちもずいぶん楽になるなあ」

そこで半神マウイは、映画にも登場した大きな魔法の釣り針をマウイ島に引っかけ、カヌーに乗った男たちにハワイ島まで引っ張ってくるよう命じたのですが…。もう少しで到着~というその時! 絶対に振り返ってはいけない、振り返れば釣り針の魔法が解けてしまう…との半神マウイの言いつけを破った男がいました。そのため魔法が解け、せっかくハワイ島のすぐ近くにまで迫っていたマウイ島は、アッという間に遠のいて行ってしまいました。ああ残念!

けれど釣り針のかかっていたマウイ島の先端だけは、ヒロ湾に残りました。それが、ヒロハワイアンホテルのすぐ先に浮かぶモクオラなのだそうです。

ヒロ湾に浮かぶモクオラ。湾の向こうにはマウナケア山が見える


…いかがでしょうか? これだけ神話、伝承、史実が積み重なるようにして残されているモクオラの神聖さが、わかっていただけたら幸いです。次回ヒロに出かけたら、ぜひぜひ出かけてみてくださいね。ヒロハワイアンホテルやナニロアホテルから、ほんの目と鼻の先にあります。

 

 


 

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森出じゅん/JUN MORIDE プロフィール

オアフ島ホノルル在住。横浜出身。青山学院大学法学部卒業後、新聞・雑誌・広告のライターとして活動。1990年、ハワイ移住。フリーランスのジャーナリストとして活動するかたわら、ハワイの文化や歴史、神話・伝説、民間伝承を研究中。単に「美しいハワイ」にとどまらないハワイの奥深い魅力、真の姿を日本に発信すべく、執筆を続ける。2012年からハワイ州観光局の文化啓蒙プログラム「アロハプログラム」講師。著書に「ミステリアスハワイ」(ソニーマガジンズ刊)、「ハワイの不思議なお話」(文踊社刊)がある。

☆ブログ「森出じゅんのハワイ生活」>>

☆ハワイ州観光局アロハプログラム>>

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