アイランド・ミュージック「ホルナペ」

アイランド・ミュージック「ホルナペ」

公開日:2007.02.07

更新日:2017.06.25

ハワイ発プレミア情報誌アロハストリート

アイランド・ミュージック ~話題のミュージシャンたち~
ブラザーフッドが生み出す美しいハーモニー
HOLUNAPE ホルナペ

 2006年のナ・ホク・ハノハノ・アウォードの「デュオ&グループ」と「ハワイ語によるパフォーマンス」部門で賞に輝いたホルナペ。この、見るからに人のよさそうな面々で構成されているフレッシュな3人組は、2000年にグループを結成。ここに来て、伝統的なハワイアン・ミュージックの継承者たちにもスポットライトが当たった。しかし…。
 「僕たちの生活は、受賞前とまったく変わらないよ(笑)。それはいいことだと思ってるけどね」と3人で大笑い。どこから見ても仲のいい幼なじみ、といった風情だ。

 ハンサムなベース&ギターのケコア、いつもにこやかなウクレレの名手カマ、そして一見ごつそうに見えるけれど、実はやさしいギターのカナイは、お互いを尊重しあいながら、美しいハーモニーを作り出していく。ケコアとカマは、同じカメハメハ・スクール出身。カナイは、といえば「去年、僕の学校が火事でなくなっちゃったんだ。あはは。」それはもしかして、ハワイ大学の中で最も古い校舎で、火災に遭ってしまった付属校のUHラボ・スクール?「そうそう、だからもうないんだ。悲しいけど、仕方ないよね」と言いながらも屈託がない。その間、ほかのふたりも「そうそう…」とうなずきながらニコニコ。自分の母校がなくなるなんて、誰も経験はしたくないはず。でも、笑っていられるのは、強い絆=ブラザーフッドで結ばれた仲間と、自分たちの音楽があるからに違いない。

 日本では、癒しの音楽と捉えられることの多いハワイアン・ミュージックだが、その種類は実にさまざま。若者に人気のレゲエから伝統的なコンテンポラリー・ミュージックまで、ハワイでラジオを聴けば、バラエティの多さに驚くはずだ。そんな中で、ホルナペの音楽は、本物志向のフラダンサーたちからも支持を集める正統派路線。ギター、ベース、そしてウクレレの3人組という、コンテンポラリー・ハワイアン・ミュージックに欠かせないコンビネーションから紡ぎ出される美しいサウンドの秘密は「誰もリーダーではないこと」だという。3人が常に対等でいる関係は、彼らにとって、とても大事なことなのだ。ハーモニーが自然と美しく重なるのも、きっとそんな彼らの考え方が反映されているからなのだろう。

そして、美しい響きと深い意味を持つハワイ語の「詩」を奏でることを大切にしている彼らに影響を与えたのは、「やっぱり家族だね。」とケコア。ハワイにおいて、ファミリーの絆は何より大切にされるべきもの。だから、彼らにとってのヒーローは、今でもギターを教えてくれたおじさんであり、有名なシンガーの祖母であったりするのだ。

 「Music is strong」。3人が口をそろえてそう言い切る潔さと、彼らのDNAに確実に埋め込まれている音楽への情熱は、お互いが兄弟以上のつながりを感じる最高のパートナーを得て、枯れることはない。

HOLUNAPE
「He 'Olu」
Roy Sakuma Productions, Inc.

※アロハストリート2006年秋号に掲載した記事です。

公開日
: 2007年 2月 7日
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