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一生かけても終わらない…ラウハラは「愛のアート」

一生かけても終わらない…ラウハラは「愛のアート」

ハワイの伝統工芸、ラウハラ編み。果てしない下準備と根気、そして愛。ハワイ島ヒロ在住のクム、ミシェル・ゼーン・ファリディさんが語る、ラウハラとは?

公開日:2018.09.04

更新日:2018.10.18

アロハストリート・インタビュー

※この記事は2018年9月4日に公開されたものです。

ラウハラのクム「愛を編むひと」タイトル画像

 

アロハ! メグミです。

マウナケア山頂での天体観測や、火山観光、全米最大規模のパーカー牧場など、豊かな自然で知られるハワイ島。

ですが、それだけではありません。

歴史あるローカルタウンや、暮らしの中で培われた豊かな文化があり、多彩な魅力を感じさせてくれます。

 

今回ご紹介したいのは、ハワイ伝統工芸のひとつである「ラウハラ」について。

ハワイ島ヒロ・ダウンタウンの街並み

舞台は、ハワイ島東海岸の古都・ヒロ。

ヒロは、ホノルルに次ぐハワイ諸島第2の都市。1800年代にサトウキビ産業で発展し、日系移民も多く、いまでも街のいたるところに日系人の歴史の跡を見て取ることができます。

とくに、ダウンタウンのカメハメハ・アベニュー沿いには、年季の入った店舗が立ち並び、レトロで味のある雰囲気が漂います。どこもかしこもフォトジェニック!

 

そんな趣ある街並みの一角にあるのが、ラウハラ雑貨&セレクトショップ「ハナホウ」です。

ショップ「ハナホウ」の店内

広々とした店内に、センスの良いアイテムが配置されています。地元の人からは「ハワイ島でいちばんオシャレなお店」と激推しする声が多いほど。

もともとは、これよりもっと小さなお店でしたが、2017年に移転し、4倍の広さになりました。

ローカルブランドの洋服やアクセサリー、雑貨小物など、どれもセンスが光るものばかり。無造作にセレクトされているようでいて、しっかり統一感があり、テーマを感じさせるラインナップとなっています。

 

なかでも品ぞろえの核となっているのは、ラウハラ。

ラウハラ・マット

ラウハラのマットはもちろん、帽子やバッグ、ブレスレットなどのアクセサリーと、バラエティ豊か。ハワイ産のラウハラ製品のほか、アジアや南米産のかご製品も、センスの良いものがそろっています。

 

ラウハラをプリントしたポーチ

ラウハラをプリントしたポーチもありました。かわいい〜。

 

ショップ「ハナホウ」の店内

アロハシャツやアロハドレスもあります。

 

ヴィンテージ布を使ったコースター

ビンテージの布を使った小物も。こちらはコースター。すべて一点ものです。

 

まだまだ紹介しきれないほどの魅力的なアイテムがそろっているショップ「ハナホウ」ですが、お店のオーナーさんが、とっても素敵な方なのです。

その方が、こちらのミシェルさん。

ミシェル・ゼーン・ファリディさん

ミシェル・ゼーン・ファリディ/Michele Zane-Faridi

      • ラウハラ編みアーティスト、クム(師範)。
      ハワイ島ヒロにあるセレクトショップ「ハナホウ」オーナー。ハワイを拠点に、日本をはじめ世界中でラウハラの魅力を伝えている。

 

ミシェルさんは、このお店から数件お隣にある有名アロハシャツブランド「シグ・ゼーン」のオーナー・デザイナーであるシグ氏の妹さん。さすが兄妹というべきか、おふたりともたぐいまれなる才能の持ち主ですが、それぞれがハワイの伝統文化を大切に継承しながらも、違った分野で独自のカラーを確立しています。

「ハナホウ」は、ミシェルさんと、バイヤーでありデザイナーでもある娘のシャディさんのセンスとこだわりが詰まったお店なんです。

 

 

お金のためには決してできない、果てしなく手間と根気のいる作業。

 

ところでみなさん、ラウハラとは何か、ご存知でしょうか?

私は、ミシェルさんからお話をうかがうまで、ラウハラについて深く考えてことがありませんでした。ハワイでは日常的に目にする身近な素材ではありますが、

●干し草を手で編んだもの
●ハワイの伝統工芸のひとつ
●マットや小物入れ、バッグ、帽子などのアイテムがある
●最近はアジア産も出回っている
●ハワイ産のものは高価

といった程度の認識しかありませんでした。
これはこれで間違ってはいないのですが、もっと深淵な世界が広がっているとは…思ってもみませんでした。

 

まず、ラウハラ製品がどんなふうに作られるのか、知らない人が多いとミシェルさんは言います。

 

「たとえば、この帽子。ひとつ400ドル、500ドルという値段を聞いて、どう思いますか?

『帽子ひとつが、なぜそんなに高いの?』と不思議に感じるかもしれません。

なかには、『もっと安くしてほしい』と言う人もいます。

でも、いかにラウハラが手間がかかり、繊細で、技術と根気、精神力を要するものかを知れば、そうは言えないでしょう」

 

ラウハラの帽子(ミシェル・ゼーン・ファリディさん)

 

ハワイ語でラウは「葉」、ハラは木の名前なので、ラウハラとは「ハラの葉」を意味します。ハラはハワイ固有種の木で、よくハイキングトレイルなどでも目にする植物。青々とした細長い葉は、乾燥するとイグサのような薄茶色になります。

 

ハワイのラウハラ作りは、木から葉を摘むことはせず、自然に落葉したものを拾い集めるところから始まります。

葉の根と先を切り落とし、葉についたトゲを取り除き、汚れをとってキレイに。
なめして平らにし、乾燥させ、芯を取り除き、さらになめして葉をやわらかく。

この下ごしらえの作業だけでも、かなりの手間ひまを要します。

 

しかもやっかいなことに、同じハラの木から採れた葉でも、同じ色とは限らないというのです!
仕上がりを美しくするためには、色を均一に整えることが大事。下ごしらえをした大量のラウハラの中から、ひとつずつ色合わせをし、同じ色のものをより集めていくのだとか。

 

「帽子ひとつぶん、同じ色のラウハラを集めるだけで、何年、何十年とかかることもあります」

 

編み込む前のラウハラ素材のロール

Kuka'aと呼ばれるラウハラの束。編む際には、幅を均等にカットして使用する。

ラウハラの下処理はとにかく多くの工程があり、手間がかかるものばかり。しかも、地味で地道…。けれども、仕上がりを左右する大事な作業のため、手を抜くことはできません。ラウハラはとても繊細な素材で、処理が甘いと編んでいる時にパリンと割れてしまうそうです。ああ、果てしない…。

この下処理の作業は、ラウハラ製作の8割を占めるもので、編む作業は最後のごほうびとも言われているそうです。

 

「この途方もない作業は、ラウハラに欠かせないもの。

お金のためだけでは、決してできない…。愛がなければできません。

だから私は、ラウハラを『愛の編みもの』と呼んでいます」

 

ラウハラの帽子を作る時に使う木型

帽子を編むときに使う木型。さまざまな形がある。

 

100年経っても色あせない、ラウハラに込める技と思い。

ラウハラにはさまざまな編み方があり、そのひとつひとつに意味があると言われています。

その手技は、すべてクム(師範)から口と手で伝えられてきたため、書物として残されている情報は、かなり限定的だと言います。ラウハラの編み手が書いた本となると、その数はほんのわずか…。

このままでは、ラウハラの素晴らしい文化はいずれ忘れ去られてしまう…。そう感じたミシェルさんは、上質なラウハラ製品を生み出し販売するだけでなく、ワークショップなどでその文化を伝える活動も行っています。

ハワイ島ヒロから、世界各地へ。
日本でワークショップを開催することもあります。

 

ミシェル・ゼーン・ファリディさんとラウハラの帽子

「これは、大切なコレクションのひとつ」と、ガラスケースから取り出して見せてくれたのが、こちら。

先達のクムの手によるラウハラの帽子です。その編み目の果てしない細やかさや均等さ、形の美しさは、素人目に見ても逸品だとわかるほど。鳥の羽根をひとつひとつ重ねて縫い合わせたリボンとあいまって、まさに芸術品です。

この帽子のラウハラは、赤みがかった色をしています。とても貴重なもので、この帽子ひとつを完成させるまでに何十年もかかっているのだとか。

そんなに時間をかけていたら、風化して素材の色が変わってしまうのでは?と思ったのですが…なんと、ラウハラは時間が経っても退色しないのが特徴だというではありませんか!

 

「ていねいに扱えば、100年持つものもあるほど。

ラウハラは、技も品も、大切に次の世代に伝えていくことができます」

 

貴重な赤いラウハラの帽子と美しい羽のリボン

それにしても。

こんなに細かい編み目のラウハラがあるなんて…。葉と葉のつなぎ目が、まったく見えません。

ハワイでよく目にするのは、1〜2センチ幅の大きな編み目のラウハラ。それはそれで、とってもかわいいのですが、こんなに繊細な手仕事を目にしたら、もう別物と言わざるを得ないというか…。

 

「ラウハラは、『身につけられるアート』。

それ自体が芸術作品としての美しさを持っていますが、

同時に使うための道具として優秀であることも、とても大事なんです」

 

ラウハラ編みのバングル

こちらのブレスレットは、「ハナホウ」で取り扱っているもの。
伝統工芸としての歴史も感じさせながら、モダンな雰囲気もあり、普段の服装に気軽に取り入れることができます。

こうして時代とともにデザインを進化させ、その時々にフィットさせていくことも、技や文化が後世に残っていくうえで必要なこと。いまの感覚で、身につけたいと思えるかどうかは、とっても大きなポイントだと思います。

 

ハナホウのインスタグラム

こちらは「ハナホウ」のインスタグラムに投稿されていたもの。

ミシェルさんは、「身につけるアート」として、ラウハラを使ったドレスも製作しています。これが、とっても素敵なんですよ〜! これぞ、唯一無二の特別感。

簡単に手に入るものではないとは思いますが、いつかミシェルさんのラウハラドレスを着ることができたら感激だなぁ…。

 

笑顔が素敵なミシェル・ゼーン・ファリディさん

 

なにより、ミシェルさんがとってもおしゃれで、笑顔がチャーミングで。
すっかりファンになってしまいました。

 

愛を編む、ラウハラというアート。

「私なんて、まだまだ。一生をかけても終わらない道よ」
と言ってはにかんだミシェルさんの表情が、忘れられません。

 

一生やっても終わりがないことに捧げる気持ちとは、どんなものだろう…。
そんなことを想いながら、お店を後にしました。

 

ハワイ島ヒロに行く際は、ぜひ「ハナホウ」に立ち寄ってみてくださいね。
上質なラウハラ製品はもちろんのこと、ラウハラ編みに必要な素材や道具も取り扱っているので、本物のラウハラ製品に触れてみたい方、ラウハラ編みを始めてみたい方にもおすすめです。もちろん、センスが光るドレスやアパレル、おみやげに最適な雑貨も豊富ですよ〜!

この記事を書いた人

この記事を書いた人

マローン恵(メグミ)

ワイキキ、マノア、モンサラット、マキキ、カイムキを経て現在はヌウアヌ在住。好きなものは地ビールと地コーヒーと地チョコレート(全部発酵食品!)。ハワイ島取材班としても意欲的に活動中。

Twitterアカウント:@Megumiinhawaii

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