行ってみる価値大!夫婦で営むハワイ島のコーヒー農園

行ってみる価値大!夫婦で営むハワイ島のコーヒー農園

サーシャがローカルビジネスを応援する「サーシャのサポートハワイ」。今回は、ハワイ島でコナコーヒー農園「村松小農園」を営む日本人ご夫婦にインタビューしました。

公開日:2021.12.28

ハワイ島(ビッグアイランド)特別コラム

アロハ!サーシャです。

私が、ハワイのスモールビジネスやローカル企業、​デザイナー、アーティストの皆さんを応援する取り組み「サーシャのサポートハワイ」。今回は、ハワイ島でコーヒー農園「村松小農園」を経営する村松ご夫妻をご紹介します。

 

ハワイ島コナのホルアロアという町で無農薬、有機栽培のコーヒー農園「村松小農園」を営むご夫婦に、コーヒー農園を開くことになった経緯ややりがい、今後の目標などを伺ってきました。

村松ゆきお/Yukio Muramatsu(写真右)
東京都出身。ハワイ島に移住し、2013年より村松小農園でコナコーヒーの栽培を始める。

村松さちよ/Sachiyo Muramatsu(写真左)
旅行で訪れたハワイで夫のゆきおさんと出会い、ハワイに移住。以前は客室乗務員として勤務。

「村松小農園」の公式サイトはこちら>>>

Facebookの公式ページはこちら>>>

コーヒー栽培をするためハワイに移住。多くの人にコナコーヒーを知ってほしい

サーシャアロハ!ゆきおさん、さちよさん。突然ですが私、村松小農園さんにずっと来たかったんです。インスタライブを一緒にした際に、景色がとにかくきれいで、コーヒーもチョコレートも美味しくて、本当に素敵な場所だと思ったんです。だからその夢が叶って本当に嬉しい!

さっそくですが、村松さんがコーヒー農園をスタートしたきっかけは何だったんですか?

村松ゆきお:僕自身はずっと東京で育ったんですけど、昔からなぜか農業に憧れがありまして。でも日本ではなかなかチャンスがなくて、コーヒーが好きなので「コーヒー農家ができるかな〜」ぐらいで最初はハワイに来たんです。

サーシャ:それじゃあ経験はなかったんですか。

村松ゆきお:なかったです。

サーシャ:ハワイだったらファームもたくさんあると思うんですが、何でコーヒー農園をやろうと思ったんですか?

村松ゆきお:僕がもともとコーヒーが好きだったんですよね。コーヒーを勉強できるところなど、世界中で色々見たんですけど、コナがもともと日系の方が多い街ということで、日本人やよそ者が来てもちょっとは優しくしてくれるかなと。

サーシャ:なるほど。コナコーヒーは前から好きだったんですか?

村松ゆきお:はい、好きでした。ただ、コナコーヒーは10年くらい前の日本でもかなりランクの高いものだったので、手に入りづらかったですね。

サーシャ:コナコーヒーってコーヒー好きな方なら知っている方も多かったとは思うんですが、そんなに一般的には有名ではなかったですよね。

村松ゆきお:そうですね。いまだにフレーバーがついたコーヒーがコナコーヒーだと思われている方もいらっしゃるぐらいなので、まだまだ浸透はしていないんですけど、それを知ってもらうという目的を持ってやっていますね。

大変なこともあるけど嬉しいことも。コナコーヒー作りの醍醐味は

サーシャ:農園を始めたのは何年前ですか?

村松ゆきお:2013年の12月です。

サーシャ:結構最近なんですね。経営する中で大変なことはありますか?

村松ゆきお:そうですね、農園のコーヒーの木を育てるのが一番大切なんですけれども、毎年さまざまなトラブルが勃発しまして。虫ですとか、病気ですとか、毎年それに追われて1年が終わってしまい「今年は思い通りにいった年だったね」ということが一度もありません。

あとここに前に住んでいた方が、農薬と化学肥料を使ってコーヒーを育てていたんですけど、それを僕が引き継いだ時にやめてしまったんですよ。その時に、今までさんざん栄養を与えていたものが、突然なくなったものだから木がびっくりしてしまって、何十本単位で木がダメになってしまったということもあったんです。でもそんな中でも頑張ってくれた木が今、ここで生き残っています。

サーシャ:大変だったんですね……。さちよさんもずっと一緒に農園作業をされてきたんですか?

村松さちよ:私はなんの経験もなかったので、言われたことをやってただけなんですけど、最初は本当に誰も知らない農園だったので、なかなか大変でした。最初の1〜2年めは農園の手入れをするだけでいっぱいいっぱいで、やっと少しずつ知られるようになってきたと思っていた時にコロナが流行してしまって。

サーシャ:でもすごい!知識とかも全然ない状態だったわけじゃないですか。それを一から習い始めてやるなんて。

村松ゆきお:そうなんです。親戚の知り合いにコーヒー農園をやっている白人の男性がいて、その方に最初はつきっきりで3年間色々と学びました。

サーシャ:そこからこんなに美味しいコーヒーを作れるなんて!大変なこともたくさんあると思いますが、やっていて嬉しいこと、やっててよかったなと思うことはありますか?

村松さちよ:私はお客様との出会いです。ハワイ島のコナに来る方って私たちの親世代ぐらいの方が多いんですが、子供のように接してくださって、「来年も来るから頑張るんだよ〜」と言ってくれたりするんです。だから私たちも来年来てもらえるように頑張ろうと思えます。普通にお仕事していたら、なかなか家族ぐるみで応援してもらう機会ってないと思うんですけど、そういうチャンスをいただけたんだなと。

サーシャ:とっても素敵ですね!

コーヒーの実

 

村松ゆきお:僕はやっぱり収穫の時ですね。赤い豆を見ると「ありがとう」と言ってしまいますね。

サーシャ:それね、私の知り合いで私のことを子どものようにかわいがってくれている人がいるんですけど、その人もレイのお花をつむ時にありがとうって言って、使って自然に戻す時にありがとうって感謝するって言っています。だからコーヒーもそうなんですね。植物も命があるから、わかっていると思う。一生懸命育ててくれているんだなって。

村松さちよ:ダメになっちゃうのもあるけどね(笑)。

サーシャ:でも、一生懸命作ってらっしゃるから味にもそれが出るんだと思います。

化学肥料を使わずに育てるコーヒーとチョコレートは相性抜群

サーシャ:農園には何本のコーヒーの木があるんですか?

村松ゆきお:だいたい3,000本ていつも言っているんですけど、2,980本ほどあります。

サーシャ:すごい、それを何人で収穫するんですか?

村松さちよ:ピークの時はだいたい5人くらいですね。

サーシャ:5人で3,000本?

村松さちよ:でもいっぺんに赤くならないので。

村松ゆきお:赤いところを求めてさまよい歩くというか。

サーシャ:でも5人だけで……?(笑)。

村松さちよ:少ないときは2人ということも(笑)。

サーシャ:会話の中ですでにちらほら出てきているんですが、チョコレートも栽培なさっているんですか?

村松ゆきお:前にここに住んでいた方が、カカオの木を130本くらい持っていたのですが、カカオの実からチョコレートを作る方法を知らなかったんですよ。そこで私が引き継いで、チョコレートも頑張ってみようかと。

サーシャ:そうなんですね。カカオの木は何本くらいあるんでしたっけ?

村松ゆきお:今は200本くらいありますね。

カカオの森

 

サーシャ:なんであんなにここのコーヒーとチョコレートは相性が良いんですかね?

村松ゆきお:同じ場所で育ったものだから、兄弟みたいな感じで合うのかなと思います。

サーシャ:カカオの木も、化学肥料などは使わないで育てているんですか?

村松ゆきお:はい、まったく使っていないですね。

サーシャ:それはオーガニックではないんですか?

村松さちよ:そうなんです。私たちはまだ農園自体にオーガニックの認証が取れていなくて。

村松ゆきお:オーガニックとは言えないので、ナチュラルとか別の言葉を使って説明しています。でももちろん何も使っていません。

サーシャ:ちょっと補足をすると、オーガニックの承認を受けるためには、何年間という期間がかかるそうです。かと言って何か化学肥料を使っているかというと一切使ってないんですよね。

村松さちよ:そうですね。今、認証を取るための準備に入った段階です。

村松小農園のチョコレートバー

雇用を守るため、ツアー以外に地元にも進出

サーシャ:ツアーもやっていたと聞いたんですが、コロナが始まってからはどうしていたんですか?

村松ゆきお:ツアーはもともと行なっていて、レンタカーで来ていただいたりとか、ツアー会社の小ぶりなバンで来ていただいたりしていました。季節によって見てもらえるものは違うんですけど、農園をご案内していました。嬉しいことに結構来園してもらっていたんですけど、ハワイ島の直行便がなくなってしまってから全然来なくなってしまって……。

村松さちよ:昨年の3月末からですよね。その頃って、農園の人同士も近くで働いていいのかっていうくらいシビアな状況だったので、作業するときも離れて作業してもらっていました。コーヒー栽培はエッセンシャルワーカーだから休みがなくて、申し訳ないけどレイオフせずに皆さんには働いてもらって。

サーシャ:そうか、コーヒー栽培ってエッセンシャルワーカーですよね。じゃあコロナ禍の中でもみんなでコーヒーを作っていたんですね。でも、従業員の方も嬉しかったんじゃないですかね?色々な会社がレイオフを行なっていたりしたから。

村松さちよ:でも仕事ない方が失業保険がもらえるから。

サーシャ:あ、そうか!

村松さちよ:うちは農園なので、サービス業ほど皆さんにお給料をあげられないんですよ。

サーシャ:それだけ働く人の気持ちがわかっておられるということですよね。

村松さちよ:体を動かすだけでストレス発散できたと言ってくれる人もいたんですが、こちらとしてはやっぱり申し訳なかったです。その雇用を維持するためにも、今まで99.9%が日本人のお客様だったのですが、これはもう地元に出て行かなきゃということで、ちょうど今日も行っていたんですけどファーマーズマーケットとかフードトラックのビジネスも始めたんです。

サーシャ:そうか〜!ローカルの人たちにも好評なんじゃないですか?

村松ゆきお:ちょっとずつ浸透していっているとは思うんですけどね。

サーシャ:ファーマーズマーケットでは何を売っているんですか?

村松さちよ:ファーマーズマーケットでは、すでに他のコナコーヒーのベンダーさんがいるので、うちはコナコーヒーは売れないことになっているんです。だから、コーヒーを使ったクレープとかシェイブアイスを売っています。そこでうちのスライドショーみたいなものを見せて、コーヒー農園をやっていることを地道に宣伝しています。

自分たちの力でコーヒー栽培をする姿に、昔の移民の人々の姿が重なる

サーシャ:でも本当に美形のご夫婦で、お子さんたちもかわいいし。

村松さんのお子さんたち:こんにちは。

サーシャ:息子さんたちも関西弁ですね。奥様はお仕事で来られていたんですか?

村松さちよ:いえ、私は母と旅行で来ていて、日本人の方がやられているB&Bに泊まったら、そこに主人が遊びに来ててお友達になったんです。そうしたら、主人の周りの人が本当に良い人で。

サーシャ:でも本当にそうだと思う。ハワイ島の人は「来てくれてありがとう〜」ていう雰囲気があるよね。奥さんはハワイ島に来られる前は何をされていたんですか?

村松さちよ:以前は11年くらい客室乗務員をしていました。

サーシャ:そうなんですね、そこから辞めてずっと一緒に。プロポーズとかは?

村松さちよ:なかったと思う。なんか「始めるし〜」とか言って(笑)。

サーシャ:こっちでお子さんも生まれて。

村松さちよ:そうなんです。

サーシャ:昔の移民みたいな感じではないですか。就職して誰かが保護してくれて給料くれるってことではなくって、ご自身でファームを耕すっていう、当時の移民の方がされてきたような努力をされていますよね。これはすごいことだと思います!

日本でも村松小農園のハイクオリティなコーヒーが楽しめる

サーシャ:村松さんのコーヒーを日本でも楽しみたいという方は、どこで購入したら良いですか?

村松さちよ:オンラインから購入できます。今は忙しくて3週間くらいかかってしまうんですけど、日本にお届けしています。

村松小農園で販売しているコーヒー豆

 

サーシャ:これはどんなに時間がかかっても、待つ価値ありのコーヒーです!私もインスタグラムで紹介させてもらったんですけど、本当にポジティブなコメントしかないです。

村松さちよ:嬉しいことに、サーシャさんが紹介してくれてから、応援してくださる方が増えていて。

サーシャ:リピートで購入してくださってますよね。みんな「ハワイに恋して観ながらコーヒー飲んでます」とか「夏はアイスコーヒーにして仕事に持って行って楽しんでいます」とかコメントしてくれて、私も嬉しいです。日本でもハイクオリティなコナコーヒーが楽しめるって、絶対みんなも嬉しいと思います!

村松さちよ:もっと知ってもらえたら良いんですけどね。10%とかではなくて100%のものを飲んでもらいたいなって。

サーシャ:本当にそうですよね。コーヒーって、値段で購入を決める人もいると思うんです。コナコーヒーってワンパック$90〜とか、高いじゃないですか。でも安いやつだとよく見るとコナコーヒー10%のものだったりして。なのに、村松さんところのコナコーヒーはなんでこんなに安いんですか?

村松ゆきお:正直なところをいうと、うちのような小さい農園からすると、他のところがやられているような、他の国から(コーヒー豆を)持ってきて混ぜてとやる方が、高くついちゃうんじゃないかと。

村松さちよ:今はオンラインで購入してもらっている状況ですけど、コロナが収束したらハワイ島に来ていただいて、うちの農園で楽しんでもらいたいです。この辺りはコーヒーベルトなので、一緒に他の農園も見て行ってもらうのも良いんじゃないかなと思います。

サーシャ:テイスティングとかも行なってらっしゃるんですか?

オープンエアのテラス席

 

村松さちよ:もちろんです。ここで最初に試飲をしていただいて、農園をご案内しています。ここ(インタビューを行っているテラス)でゆっくりしていく方もおられますね。

サーシャ:では、ツアーや農園の見学がしたいという日本にお住いの方はどうすれば良いですか?

村松さちよ:農園のホームページに来園予約というところがあるので、そちらから予約していただいています。大きな農園さんだと、ガイドする人、収穫する人、コーヒーを作る人ってパートに別れているんですけど、うちの農園はスタッフもスペースも少ないですし、午前中みんなでガッと働いて、午後からみなさんをお迎えするようにしています。

今ちょうど向こうにショップを作っていて、前まではこちらで売っていたんですけど、人が集まらないように対策を考えていて、密にならないようにしようと思っています。

サーシャ:なるほど、そういう工夫もされているんですね。ツアーもお昼の後だったらちょうどコーヒーブレイクにもぴったりですし。

やりたいことはたくさん!村松ご夫妻の今後の目標

サーシャ:ところで、今後の目標などはありますか?

村松ゆきお:目標は、以前のように来ていただいていたお客さんに満足していただいて、笑顔で帰っていただける農園をもう一回作りたいなと思っています。

村松さちよ:それから、やっぱりオーガニック認証を取りたいなというのもありますね。農薬などを使っていなくても、胸を張って言えないところが今はあるので。あと、今はコーヒーに一生懸命になって子どもをほったらかしなので、子どもとどこかに旅行に行きたいなと思っています。

一同(笑)

村松さちよ子どもがだんだん大きくなってきて、アメリカに行きたいと言い出したんです。でもやっぱり抜けられないから「行かれへんわ、ごめん」て。だから、いつか子どもをアメリカに連れて行ってあげたい(笑)。

サーシャ:メインランドということですよね。違う国みたいですもんね、本当に。その一歩として、ぜひオアフに来てください、私がお子さんのベビーシッターやりますので(笑)。では最後に、日本の方に向けてメッセージをいただけたら嬉しいです。

村松ゆきお:ハワイ島から細々とですがコナコーヒーを作っています。コロナが落ち着きましたら、ぜひ一度こちらに遊びに来ていただければ幸いです。よろしくお願いします。

サーシャ:私はここに来ることができて、本当に一つ夢が叶いました!ぜひ皆さんもコロナが落ち着いたら、村松小農園に来園してみてくださいね。

 


 

★インタビューを終えて★

もともと村松小農園さんのコーヒーの美味しさは知っていたのですが、実際に農園に伺ったのは今回のインタビューが初めてでした。農園に一歩足を踏み入れると、赤いコーヒー豆のアーチがあり、なんて素敵なところなんだろうと感動しました。

村松小農園さんのコーヒーが美味しい理由は、村松さんご夫妻とスタッフさんが心を込めて大切に、丁寧にコーヒーの木を育てているからだと実感!そして、この極上の100%コナコーヒーと同じ農園で育ったカカオからできた、芳醇なチョコレートも日本や世界中の皆さんに知ってほしいなと思いました。

皆さんもぜひ、村松小農園さんのコーヒーとチョコレートを取り寄せて、お家でハワイを感じながらホッと一息ついてみてください。

 

★サーシャからのお知らせ★

「Sasha」のコードでノベルティプレゼント!

村松小農園のウエブストア内でのお買い物のお客様に、コード「Sasha」 を入れるとノベルティをプレゼント。ぜひ活用してみてくださいね!

※ノベルティの内容は変更になる場合があります

ハワイに恋して!最新情報

次回放送日:1月3日(月)21:00〜
放送内容:#64「絶対に見たい‼ワイキキ三ツ星絶景スポット」(再)

コロナ禍で自然美が蘇りつつあるハワイ。ハワイ大学の調査によると、ハナウマ湾の透明度が60%以上もアップし、海はエメラルドグリーンの輝きを増して島中に自然美があふれています。今回は旅の拠点となるワイキキで絶景スポットを散策。カタマランに乗って海からの景色を堪能したり、ハワイの象徴とも言えるダイヤモンドヘッドをいろんな角度から眺めたりと、自然が広がるワイキキの絶景をご紹介します! 次回のハワイ旅の参考にぜひご覧ください。


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