新型コロナ自粛中のハワイでの過ごし方をインタビュー(UCC三木さん編)

新型コロナ自粛中のハワイでの過ごし方をインタビュー(UCC三木さん編)

ハワイ在住のアーティストや著名人に、コロナ禍での過ごし方、今後の活動などをインタビュー。第13回めはハワイ島のUCC ハワイ コナコーヒーエステートのマネージャーを務める、三木さんです。

公開日:2020.11.03

更新日:2021.06.07

アロハストリート・インタビュー

※この記事は2020年11月3日に公開したものです。

 

アロハ! ヒロヨです。

世界中に大きな影響を与えた新型コロナウイルス(COVID-19)。ハワイでも3月26日から6月30日まで自宅待機措置が実施され一時期感染者数が減ったものの、8月27日から再び自宅待機令が発令されました。現在は解除され少しずつ規制が緩和されつつあります。

そんな中、アロハストリートではハワイで活躍するアーティストや著名人の方にインタビューを実施。それぞれのロックダウン中の過ごし方や考え方の変化、現在のライフスタイルなどについて伺いました。

第13回めはハワイ島コナにある「UCC ハワイ コナコーヒーエステート」のマネージャー三木さんです。

■三木秀樹/Hideki Miki

UCC三木さん

●UCC ハワイ コナコーヒーエステート

1989年にハワイ島コナ地区2番目の直営農園として「UCCハワイコナコーヒー・エステート」を設立。UCCハワイ直営農園は、コナ空港から車で約30分ほどのハワイ島コナ地区フアラライ山の裾野、標高460m付近にあり、総面積約16ヘクタール(東京ドームの約3.5倍)の中に、およそ1万8千本ものコーヒーの木が植えられている。この農園では、キオスクにて自慢の100%コナコーヒーやオリジナルグッズを販売。美しい海岸線が望め、挽きたての新鮮なコナコーヒーの試飲付きの日本人ガイドによる予約不要の農園ツアー(無料)も実施している。

☆UCCハワイコナコーヒー・エステートのオフィシャルサイトはこちら>>

☆UCCハワイコナコーヒー・エステートのインスタグラムはこちら>>

旅行者が激減、毎年恒例のイベントもキャンセルに

───アロハ、三木さん! オアフ島に住んでいてもなかなか離島の様子がわからない状況だったのですが、自粛中ハワイ島はどんな様子だったのでしょうか?

三木:ハワイ島は最初の頃、オアフ島ほどの感染者数ではなかったので、個人的にはそこまで深刻な雰囲気ではなかったように思えたのですが、3月末にステイホームとなってからは旅行者の方が来られない状態になり、ハワイ島の観光業も大きな影響を受けました。日本からの直行便もキャンセルになり、日本人旅行者向けのツアーも催行できなくなりましたね。

 

───ハワイでは各島によって導入されているガイドラインが異なるものがありますが、オアフ島で8月末に再び発令された自宅待機令は、ハワイ島では発令されませんでしたね。

アリイ・ドライブ

いつもは旅行者で賑わうアリイ・ドライブ(2019年撮影)


三木:
ハワイ島では、自宅待機令が発令されたのは3月末の1回のみでした。ですが、離島間を行き来する際に14日間の隔離が必要だったので、観光業はずっとストップしていました。離島間の隔離が免除された時は、オアフ島在住の方が訪れてくれたり少し訪問者が増えた印象がありましたが、またすぐに隔離の措置が復活してからは前の状態に逆戻り。カイルア・コナの観光名所のひとつ、アリイ・ドライブも週一回はクルーズ船が到着して2000人ほどの来訪者がありましたが、それもキャンセルになり街は閑散とした様子でした。

 

───レストランやショップはどんな様子でしたか。

三木:レストランもオアフ島と同じようにステイホームの時はテイクアウトのみの営業でした。スーパーマーケットは、一時は紙類が品薄になったりしましたね。ファーマーズマーケットもカーブサイドピックアップを導入したり。私が住んでいるコンドミニアムは旅行者がいなくなって、ローカルのみになって空室の部屋が多いですよ。

 

───ハワイ島は広いですし、人が少なくなるとガラーンとした感じが際立つかもしれません。ステイホーム解除後は、通常の生活に徐々に戻りつつありますか。

マウナケアビーチ

ハワイ島の美しいビーチ(マウナケアビーチ、2019年撮影)


三木:
レストランやショップは、ソーシャルディスタンスを保つなど利用ルールが変わり、お店側も気をつけながら営業している感じです。ビーチも一時閉鎖されていましたが今では利用できるので、外のアクティビティは前とあまり変わりなく楽しめますね。ただイベントが軒並み中止になってしまいました。

 

───ハワイ島と言えばフラの祭典といわれるメリー・モナーク・フェスティバルがとても有名なイベントですが、コロナの影響でキャンセルになったのは大きなニュースでした。

三木:はい。本当に今年は大変で…。メリー・モナークという大きなイベントのほか、マラソンやトライアスロンなどの人気イベントもすべてキャンセルになりました。いつもはイベントで盛り上がって忙しくなり、終わるとまた日常が戻って…という忙しさの波があったのですが、今年はそれがなくリズムが崩れてしまいましたね。

 

コロナ禍でもスクスク育つコーヒー、オンラインの売り上げが倍以上に

───ステイホームになっても、所有されている農園のコーヒーは育ち続けているわけで…。

三木:そうですね。農園はエッセンシャルワーカーということで、ステイホーム期間中もコーヒー栽培は継続できました。隣りにはコーヒーを購入したり、試飲できるショップと小さなカフェが併設されていて、こちらはローカルの方たち向けのドリンクメニューにしてカフェだけテイクアウトのみで営業することにしました。ただ、農園ツアーは中止になってしまいましたね。

UCC ハワイ コナコーヒーエステート

───農園ツアーが中止になると来客者数が激減したと思うのですが…。

三木:UCCの農園のある場所というのは、旅行者の方が訪れるメインのエリア、例えばワイキキみたいなところではなく、そんなに毎日人通りがある場所ではないんですね。コロナ以前はツアーのお客様を含めて1日約40〜50名の方が来園してくださっていましたが、コロナ以降は1日数名という状況です。日本に輸出するのは周辺にある農園で収穫したもので、ショップ併設のこの農園で採れたコーヒーは、ショップでお土産用として販売するのがメイン。お客様が減少するとここのコーヒーが生産過多になってしまい…。

 

───需要と供給のバランスが崩れてしまいますよね。その豆はどうされたんですか?

三木:コーヒー豆って焙煎前の生豆の状態だと、しっかり管理すれば約2年は鮮度を保ちながら保管できるんですね。ですから焙煎せずに保管するようにしています。焙煎したものはオンラインショップで気軽にお買い求めいただけるよう、通常価格より30%オフで販売(2020年10月現在)したところ、とても好評でオンラインの売り上げがコロナ以前に比べて倍以上になりました。

UCC ハワイ コナコーヒーエステート

───倍以上!?日本へも発送されているんですか?

三木:はい。現在配送に遅れが出ているので、到着まで1週間から10日間ほどかかる場合もありますが、日本へも発送しています。旅行者のみなさんは、ハワイに来られなくてもオンラインを上手に活用されている印象ですね。

 

───そのほかにもオンラインで何か新しい試みを取り組まれましたか?

UCC ハワイ コナコーヒーエステートのインスタグラム

三木:自粛期間のスローな時間を利用して、インスタグラムの活用方法を独学で学びながら、フォロワーが増える様に写真を頻繁にアップしていました。それからショッピング機能をインスタに追加して、オンラインでお買い物がより快適にできるよう頑張っています。

 

───コナの街と海が一望できる素晴らしい場所に農園がありますし、インスタにアップする写真のネタには困りませんね。

UCC ハワイ コナコーヒーエステート


三木:
そうですね。そのほかにも今の農園の様子やオンラインショッピングのご案内などをメールで発信したり。旅行会社と協力して、リモートで楽しめる農園のバーチャルツアーにも取り組んでいます。

───マーケットをオンラインにシフトして運営されていたのですね。農園のオペレーション自体にも変化はありましたか?

UCC ハワイ コナコーヒーエステート

三木:毎年8〜1月は収穫の時期で、いつもこの時期はとても人手が必要なんです。昔は日本からの移民や日系人が収穫していたのですが、今は本土に住むメキシコ人がハワイへ来て収穫し、作業が終わると本土に戻ってほかの農作物の収穫に携わっています。メキシコの方は作業に慣れていて収穫量も多く、頑張って働いてくれるので助かるのですが、今年は14日間の隔離などの問題で本土から来られなくなってしまって…。とはいえ、コーヒーはコロナに関係なく育つので、島内でどうにか人材を確保して収穫することになりました。

 

───そんなところまで影響があったとは…。でもコロナで仕事ができない状況の方もいらっしゃったので、不幸中の幸いというかお互いのニーズが合致して収穫の人手が確保できたのかもしれませんね。

三木:今後はどんな状況になるのかまだ予想できませんが、来年は通常の収穫ができるようになるといいなと思っています。

 

───10月15日から事前検査プログラムが導入されましたが、観光再開に向けてどのような取り組みをされていますか。

UCC ハワイ コナコーヒーエステート

三木:コロナ対策ということで、入り口にはハンドサニタイザーを設置しています。また、農園ツアーでは店内にある焙煎機を使って自分で豆を焙煎し、お客様の写真をシールにしてパッケージに貼ってオリジナルコーヒーとして持ち帰りができるのですが、ソーシャルディスタンスを考慮して今後は家族単位で焙煎機を使用していただく予定です。もちろん機械の消毒は毎回行います。

また、カフェメニューで人気だったコナコーヒーアイスクリームは、地元のアイスクリーム店と一緒に製造していたのですが、そのお店が休業しているため現在取り扱っていません。でもそのアイスクリーム店が営業を再開したら、またメニューに復活する予定です。

 

───楽しみです。早くハワイ島に行きたい! 今はコナコーヒーを飲んで気分だけでも味わいます。

三木:今年は雨が多かったので豆が大きく、いいコーヒーが期待できますよ。店内をペイントしたり観光が再開した時のためにいつでもお客様を迎え入れられるよう準備は万全です。皆様のお越しをお待ちしております!

 

───次回ハワイ島へ行く時はぜひ寄らせていただきます。本日はありがとうございました!

★インタビューを終えて…
ステイホームが発令される前、私はハワイ島出張を控えていました。その出張での行き先には、こちらのUCCハワイ コナコーヒー農園も含まれていたのですが、コロナの影響が本格的になってきたので出張を断念。それ以来ハワイ島の様子は気になっていたものの、なかなかリアルな状況を掴めずにいました。今回改めてお話が聞ける機会があり、ハワイ島で観光業に携わる方々の苦労や経済的に困難な状況はオアフ島と同じだったことを知り、また以前のようなハワイ島に早く戻ってほしいなぁと願うばかりです。でも農園ではコロナに関係なくコーヒーがスクスク育つ様子を聞いていると、非日常の中の日常といった感で、自然の力強さになんだか見えない元気をもらったというか…。ハワイ島という土地自体もパワースポット的な場所ですし、エネルギー補給をしに近いうちに訪れたいです。その時は必ず、美味しいコナコーヒーとアイスクリームを堪能しにUCC ハワイ コナコーヒーエステートへ行って、その様子をレポートしますね。

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