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ハワイ島ヒロの滝&川の伝説

ハワイ島ヒロの滝&川の伝説

ハワイの歴史・文化に詳しいライター・森出じゅんさんのコラム第13回。ハワイ島ヒロの街にある滝と川にまつわるお話です。

公開日:2020.01.01

森出じゅんのハワイ歴史&神話散歩

自然あふれるヒロの街
神話・伝説の舞台も多々

ALOHA! ホノルル在住の森出じゅんです。

ハワイ文化に焦点を当て、ちょっと意外なハワイの横顔を紹介するこのコラム。今回はハワイ島東部の街、ヒロに焦点を当て、周辺の滝と川の伝説をお届けします。「なぜ急にヒロ?」という理由は後ほど説明することにして(冒頭からゴメンナサイ!)、まずはヒロの横顔からご紹介しましょう。

ヒロの街といえば、日本の方々にとってはキラウエア火山観光の前後にちょっと寄る街、あるいはフラ界のオリンピックと呼ばれるフラ競技会、メリーモナークフェスティバルの行われる街としての印象が強いかもしれません。

ですがヒロは、実はホノルルに次ぐハワイ第2の規模を誇る街です。加えて降雨量の多さもあって緑が濃く、川や滝の美しさを誇る街でもあります。11世紀の昔からハワイアンが定住していたので、王族絡みの史跡や、神秘的な神話や伝説も多い、実に魅惑的な街なのです。以前ご紹介したココナッツアイランドも、ヒロ湾に浮かんでおります。

そんなヒロの神話・伝説スポットのなかでも、今回は旅行客の皆さんも足を伸ばしやすい神話の舞台、しかも私がいち押しのスポットをご紹介しましょう。

半神マウイの母
女神ヒナが住むレインボー滝

まずご紹介するのが、ヒロのダウンタウンから車で7、8分のレインボー滝。ワイルク川上流にあり、よく滝に虹がかかることからこの名があります。滝のすぐ後ろには大きな洞窟が口を開けており、そこには昔、女神ヒナが住んでいたという伝説が残っています。ヒナは月の女神であり、絶世の美女。ハワイの英雄として知られる半神マウイのお母さんでもあります(半神マウイは、ディズニー映画「モアナと伝説の海」にも登場したキャラクターとして、日本でもお馴染みですよね)。

伝説によれば、昔、ヒナはレインボー滝の後ろで静かな生活を送っていたのですが、近くに住む大とかげモオがヒナの美貌に目をつけ、ちょっかいを出し始めたとか。ある日、つれないヒナに怒ったモオが、ヒナの洞窟を水攻めにしようと企んだから大変。ヒナは危うく溺れそうになり、その悲鳴を聞いて駆けつけたのが半神マウイでした。どこにでもアッという間に行ける魔法のカヌーで駆けつけ、無事、モオを退治したという伝説が残っています。

付近にはマウイのモオ退治について記した案内板も

このレインボー滝にはごく近くまで車で行けますので、さほど歩くことなく滝や洞窟を見ることができるのが嬉しいところ。小さなお子さん連れでも大丈夫なので、ぜひお出かけくださいね。滝にはよく虹がかかりますが、私が虹を見たのは正面の展望台ではなく、滝左の舗装路を登った先にある、滝を横から眺める展望台からでした。あちこちの角度から滝を眺め、虹を探してみてください。

ハワイ最長のワイルク川も
神話・伝説の宝庫

ちなみに、レインボー滝のあるワイルク川は全長45キロと、ハワイで一番長い川です。4000メートルを超えるマウナケア山、マウナロア山の間を走り、ヒロのダウンタウンを抜けて海へと続くため流れも早く、ハワイで一番初めに橋がかけられたのがこの川でした(ワイルクはハワイ語で「破壊する水」を意味しています)。

ヒロのダウンタウンを貫くワイルク川

ヒロのダウンタウンにもいくつか橋が残っていますが、その一つが、ケアヴェ通りにあるワイルク川橋。ぜひダウンタウンに出かけたら、この橋からワイルク川を見下ろしてみてください。橋の近くに下の写真のような細長い岩が残っていますが、これはかつて、半神マウイのカヌーだったという伝説が残ります。マウイ島から母ヒナを助けにやって来た半神マウイが、ここでカヌーを降り、レインボー滝にかけつけたとか。カヌーは後に、そのまま岩になったのだそうです。

ワイルク橋から見たマウイのカヌー跡

またこの岩には、女神ヒナと神官パアオにまつわる伝説も。きっと岩の奇妙な形が、昔々のハワイアンの想像力を多いにかきたてたのかもしれませんね。この岩を見るたび、私は昔の人々のそんな想いを想像し、つい微笑んでしまいます。

浮気者の男性の名がついた
名瀑、アカカ滝の伝説

ご紹介する最後のスポットは、ヒロ近郊のアカカ滝。滝の高さは135メートル。日本の3大名瀑の一つである、あの日光の華厳の滝でも97メートルですから、アカカの滝のスケールの大きさが容易に想像できることと思います。私もこの滝を初めて見た時は、「ハワイにこれほどの規模の滝があったなんて!」と驚きました。

写真提供:ハワイ州観光局

ここには、浮気者のハワイアンにまつわる悲しい伝説が残っています。男の名はアカカ。アカカが土地の酋長だったという人もいますが、定かではありません。アカカには妻がいましたが、愛人も2人いたとか。

その事実を知り、怒り狂ったのがアカカの妻でした(当然ですね)。そしてアカカは凄まじい形相で追いかけてくる妻に追いつめられ、滝の上から身を投げて死んでしまったとか。妻や2人の愛人はアカカの死を嘆いて泣き続け、妻は滝壺近くの岩になりました。愛人たちは、滝壺近くの小さな滝になったそうです。

ケアリイ・レイシェルをはじめ、数々の著名ミュージシャンが歌っている有名なハワイアンソング「ワイレレ・オ・アカカ」は、実はこの滝を唄ったもの。ワイレレはハワイ語で滝を意味し、アカカは滝で死んだ浮気者のハワイアンの名というわけです。

滝の周辺は州立公園になっており、公園入口から滝まで舗装路が続いています。駐車場から滝までは、ゆっくり歩いて往復40分ほど。足元はサンダルではなく、ウォーキングシューズの方がいいかもしれません。本格的なハワイの熱帯雨林のなかを、ぜひ歩いてみてください!

ハワイ州観光局ヒストリックガイド&
王族セミナー@横浜のお知らせ

さて、ここでお知らせが2つあります。まず、私が書かせていただいたハワイ州観光局のヒストリックガイド「ハワイ島ヒロ版」「ハワイ島コナ版」が、ついに完成しました! ただ街を歩いていると見落としてしまいそうなヒロやコナの街の、意外な史跡や神話の舞台をいろいろご紹介していますので、ハワイ島に行く前にぜひご覧くださいね(と、そんなわけで、今回はヒロの街にちなんだ内容をお届けしています~)。

写真のような小冊子は観光局のイベントなどで配られることがありますが、オンラインでのダウンロードも可能です。ハワイ州観光局の文化啓蒙プログラム「アロハプログラム」の以下のサイトからどうぞ!

2つめは、横浜セミナーのお知らせです。9月に開いた「ハワイ最後の女王、リリウオカラニの真実」に続く王族シリーズの第2弾として、3月24日、「カラカウア王&カピオラニ王妃の生涯」をテーマにセミナーを開催させていただくことになりました。主催は前回と同じく、フラ&ハワイの専門誌「フラレア」です。

詳細については、こちらをクリックください(1DAYクラスの項です)。
ぜひ! 横浜でお会いしましょう。お待ちしております。

森出じゅん/JUN MORIDE プロフィール

オアフ島ホノルル在住。横浜出身。青山学院大学法学部卒業後、新聞・雑誌・広告のライターとして活動。1990年、ハワイ移住。フリーランスのジャーナリストとして活動するかたわら、ハワイの文化や歴史、神話・伝説、民間伝承を研究中。単に「美しいハワイ」にとどまらないハワイの奥深い魅力、真の姿を日本に発信すべく、執筆を続ける。2012年からハワイ州観光局の文化啓蒙プログラム「アロハプログラム」講師。著書に「ミステリアスハワイ」(ソニーマガジンズ刊)、「ハワイの不思議なお話」(文踊社刊)がある。

☆ブログ「森出じゅんのハワイ生活」>>

☆ハワイ州観光局アロハプログラム>>

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