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ハワイ島沖に大地震発生!速報レポート

ハワイ島沖に大地震発生!速報レポート

2006.10.18

特別企画&レポート


速報レポート
ハワイ島沖でマグニチュード6.6の大地震発生!

 編集長の上野です。
 10月15日午前7時7分。ハワイで23年ぶりというマグニチュード6.6の地震が発生し、地震のみならず、その後の長い停電で他島でも混乱の一日となりました。編集部にも「大丈夫ですか?」というご心配の声をたくさんいただいておりましたが、何しろネットもつながらない状況でしたので、やっとアロハパークにご報告できたのが、その夜の11時近くのことになってしまいました。
 震源地に近いハワイ島コナでは、地滑りや壁が倒壊した家なども報告されましたが、幸い人命は無事。この日の顛末を速報レポートさせていただきます。
■「まさか……。地震?」そして全州に及ぶ大停電

 朝から雨模様で、時折強い風も吹いて窓から雨が吹き込んで来るような日曜日。この日は最近の通例で、早朝からジムで汗を流し、そのままコスコやコンプUSA、スーパーマーケットなどで買い出しをするのが常。時計が7時を回り、そろそろ出ようと準備をしていた時、何やらドスンという衝撃があり、それがそのままユサユサとした横揺れに変わりました。
「まさか……、これって地震?」
 日本で同じ体験をしたら疑いなくそう思うのですが、ハワイには地震がない、とさえ思えるほど、オアフ島では体感地震はありません。とくにモノが棚から落ちてくるようなこともなかったので、おそらく揺れとしてはそんなに大きくはなかったでしょうし、時間的にも長くはありませんでした。

 ドアを開けてコンドミニアムの廊下に出ると、数名が何事かと表に出てきていました。それほど気持ちとしては皆、パニック気味。何しろ慣れていないのです。そして7分後、同じようなレベルの余震がやってきました。その時頭をよぎったのは、「耐震対策などないハワイの建築物だから、崩れるかも……」という恐怖心。日本では味わったことのない怖さでした。とにかくビルから出よう、そう思った瞬間、家中の電気が落ちました。家だけでなく、窓から見える辺り一帯、すべての電気が消え、信号も、周囲のコンドミニアムも、ファーストフードも、ありとあらゆる場所の電気が消えていました。ポンプが作動しないため、コンドミニアムの水もストップしました。

 隣人らと一緒に階下に降りると、10数名が不安な面持ちですでに集まっていました。テレビもインターネットも何も作動しません。携帯はかかったり、かからなかったり。家の電話は、電源のいらない電話機ならば作動するらしい、ということが分かりました。
 誰かが持ってきたラジオをつけても、FMは何一つ入りません。皆の顔がだんだんとこわばっていきます。そして唯一探し出せたのが、AMのKSSKという局ひとつだけ。それから数時間、非常電源で放送を続けたこの局が、オアフ島のコミュニケーションの命綱となったのでした。

■ワイキキではABCに行列して水や食料を確保


▲水や食料を確保しようと、すべてのABCにはこのような行列が。それでも人は慌てず騒がず、秩序正しく行動していました。

▲食料や水の蓄えがない旅行者の皆さんにとっては、本当に不安なひとときだったことでしょう。

 どうやらこの停電は長く続くらしいと悟った人々は、スーパーマーケットやコンビニに車を走らせました。ハリケーンとは違い、あらかじめ来ることが予測されていない事態のため、人は水や食料の蓄えがないのです。夜になっても暗ければロウソクも必要。懐中電灯は、電池は……? 
 信号はまったく作動しておらず、交差点には一時停止をして恐る恐る入っていきます。非常電源で運営しているスーパーもごく少数あったようですが、ほとんどは真っ暗でレジも動かず。水やパンなど、非常用のものなどに限定し、混乱を避けるために一度に店内に入る人数も制限しながらの営業となりました。
 人々はパニックした様子もなく、ちょっと不便が続くね、困ったね、といった表情。行列もとても静かで、秩序が取れている状況でした。
 たくさんの旅行者が宿泊しているワイキキも同様。日曜の朝ということもあり、各ビルのパーキングがシャットアウトされても、出勤者が少ないために、さほどの混乱もなかった様子。どの店も、ショッピング・センターも停電のために早々に閉店を決定しました。
 レストランが開いていないため、スターバックスが店の前でペストリーや飲み物の販売を始めると、さっそく列ができました。その後、多くの店が閉店したワイキキの中で、人数制限をしながら営業を続けたABCストアは、旅行者の心のよりどころとなっていました。それにしてもレジが作動しないため、「キャッシュ・オンリー」のビジネスにならざるを得ません。ATMマシンも動いていないので、手持ちの現金がない人にとっては不安が増したことと思います。

■州知事は震源地近くのハワイ島コナからラジオ出演


▲カピオラニ公園に出現したホットドッグ・スタンド。許可を取ってないけど……とお店の人もちょっと心配げ。

▲信号がまったく消えてしまった交差点。車も怖々、一時停止しながら往来していました。

 各島からラジオ局に電話をしてくる人のレポートで、この停電がオアフだけのものではなく、全州一帯のものであることがわかりました。電話会社、軍関係者が次々とラジオに登場して、状況を知らせてくれます。とにかく今は停電以外には大きな問題がないこと。落ち着いて家から出ず、電気の回復を待つように、というアドバイスです。
 電話も非常電源があるから回線が生きているので、たくさんの人が使えばそれだけ早く消耗してしまうとのこと。携帯はすでに混み合ってつながりにくくなっていました。ガソリン・スタンドも、電気がないとポンプも支払いシステムも動かないので閉鎖。道路に出ている車は、用がなければ家に戻るようにもアドバイスされていました。
 午前9時過ぎのことだったでしょうか。唯一のラジオからリンダ・リングル州知事の声が聞こえてきました。なんと彼女は震源地に近いハワイ島コナに滞在中だったのです。部屋の備品が落ちたり、テレビが家具から飛び出たりと、コナ地方の揺れはオアフの比ではなかったようです。が、けが人は多少いたものの、その時点で人命には被害がなさそうであることも発表され、不幸中の幸いと皆、胸をなで下ろしました。知事の落ち着いたトーンで不安も取り除かれたのか、それからは、皆の長く、静かな一日が始まりました。

■その頃、オアフ島の各地では……


▲ロコも予想だにしない長い停電に不安を隠せず、新装開店まもないドン・キホーテに並びました。

▲ドンキで食料を確保できたロコのお客さん。この不便がいつまで続くか分からず、不安な面持ち。

▲ポンプが動かないため、ガソリンスタンドも閉店。長期化したらパニックは必至だったかも。

 実はこの日は、ホノルルマラソンへ向けての調整に重要なナイキタウン30キロレースが開催されていました。いつも1,000人単位の参加者がおり、雨でももちろん決行。地震の最中はちょうど皆、走っている最中で、ある人はカラニアナオレ・ハイウエイに、ある人はカハラにという具合。アロハストリート編集部から参加した2名によれば、「走っていて、地震のことなど皆、気づきもしなかった」とか。ゴールした8時から9時にかけて、皆、停電に気づき、いったい何があったのだろうと怪訝に思っていたそうです。
 停電のために一時は「閉鎖」と報道されたホノルル空港。私たちはまた9/11の時のような事態を想像して心配したものの、ノースウエスト航空以外はなんとか帰国便も出発したようです。この日、到着した便については、すべてが手動のために処理が追いつかず、機内で3-4時間待たされたとか。一時はとんぼ返りか……と心配されたのですが、それもなかったようで、とりあえずはひと安心です。
 ワイキキのホテルについては、帰国便が運航されたため、人があふれかえるということはなかったようです。発電機が作動したホテルでは、エレベーターも台数を制限して運行。並ぶことはあったものの、大混乱には至らなかったと、それぞれにコメントを発表しています。
  ワイキキ最大の客室数を擁するヒルトン・ハワイアン・ビレッジでは、チェックインなどでは列が長くなることはあったようですが、非常用の発電機のおかげでエレベーターも各タワーで一機ずつ作動し、部屋の水も電気もトイレも、まったく問題なかったとのこと。温水はなくとも、水が出れば、何となく安心感もありますね。温かい食事は用意できなかったようですが、レストランでは2,500個ものサンドイッチが販売されたとのこと。懐中電灯も1,000個用意し、夜も混乱には至らなかったと聞き、胸をなで下ろしています。
 冷蔵庫や冷凍庫が働かないので、アイスクリーム・ショップの「コールドストーン・クリーマリー」では無料でアイスを提供したとか、シーフード・ビレッジでマナプア(肉まん)を配ったとか、カピオラニ公園には即席ホットドッグ・スタンドができたとか、いろいろとあったようです。
 人々は炭を使ってにわかBBQパーティを開いたり、トランプやキャッチボールをして遊んだり、思い思いに時間を過ごしました。二次災害の不安がそれほどなかったためか、電気のない生活にパニックするのではなく、落ち着いて回復を待とうという空気が街中にはあったようです。

■終わってみれば、地震よりも停電が「災害」


▲普段なら車でいっぱいの午後3時半。アラモアナ・センター前の通りはガランと静かでした。

▲大きな交差点には警官が出動して車を誘導。きびきびとした動作で整理し、混乱を防いでいました。

 オアフ島では、3時頃からパールシティ近辺で電気が復活。ビジネスも営業を開始しました。ラジオでそれを知った人々が、停電中の地域から、ファーストフードやレストランに駆けつけたりもしたようです。その後、西側から東側へと順次、復旧は続き、ワイキキは夜10時頃に電気が灯りました。主要の発電所2カ所が、地震を感知して自動停止したのが、主な原因。一度に復旧すると、容量オーバーで二次災害が起こりかねないということで、段階的な復旧が行われました。その後、朝までには大多数の家庭に電気が戻りましたが、一部まだ遅れている箇所もあります。
 その他の島でも夜までには電気が回復し、テレビニュースで地震の詳細を見ることができるようになりました。同じハワイ島でも震源地とは反対側のヒロの方は、停電の影響も最大でも数時間程度で、通常営業しているところが多かったと伝え聞きました。
 コナ地区の各ホテルも、翌日さっそく声明を出し、通常営業をしているから心配しないようにと無事をアピール。不安や自粛によるキャンセルを未然に防ぐPR活動を始めています。
 それにしても今回は、地震もさることながら、停電という副次的な事態によって、ハワイの人々の生活が根本から麻痺することになりました。国際空港にバックアップの発電設備がないことも問題として浮かび上がりましたし、各ホテル、ショッピング・センター、お店、個人宅それぞれに、不意の災害対策への課題が明確に見えたと思います。とくにコミュニケーション・ルートが分断されてしまうと状況が見えず、人々も不要な不安にかられがち。太平洋にポツリと浮かぶ島々だけに、文字通り「孤島」となってしまう可能性もあります。インフラの整備が最重要課題ですね。

公開日
: 2006年 10月 18日
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