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「ブラザーズ・カジメロ」インタビュー

2006年10月18日 | 2006年夏号 インタビュー 

ふたりのハーモニーが生み出すハワイアン・ミュージックの最高峰
「ブラザーズ・カジメロ」インタビュー
 兄のロバート(右)はインタビューの時間通りに現れ、レコード会社のオフィスでそわそわ。
15分後に現れた弟のローランドは人懐っこい子犬のようで、 「ごめん、レインボー・ドライブインで朝飯とシェイブ・アイス食べて来ちゃったよ!」と高笑い。
 このふたりだからこそ、あのブラザーズ・カジメロのやさしいサウンドが生まれるのである。

The Brothers Cazimero
ブラザーズ・カジメロ


コンテンポラリー・ハワイアン・ミュージックを確立し、その中心となって約30年以上活躍して来たロバート(兄、右)とローランド(弟、左)・カジメロは、今やハワイの顔的存在。現在までに36作品を発表、昨年発表されたアルバム「Some Call It Aloha...Don'tTell」は2005年度グラミー賞にもノミネートされた。恒例のレイデイ(5月1日)のコンサートは今年で29回目。年末にはクリスマス・アルバムをリリース予定。なお、ロバートはクムフラとしてもお馴染みで、昨年開かれたフラ最高峰のフェスティバル「メリー・モナーク」では、自らが率いる「ハラウ・ナー・カマレイ」が総合優勝している。
「Some Call It Aloha...Don't Tell」
Mountain Apple Company

アロハ: 約30年以上に渡って、コンテンポラリー・ハワイアンのリーダーとして活躍されてきたおふたりですが、すでに30枚以上の作品をリリースし、新作も昨年発表されるなど、常にトップの座をキープされていますよね。
ローランド: 僕は3才の頃、母親の影響で音楽にどっぷりはまり、ロバートもその数年後に家族の影響で音楽やフラにはまっていったんだ。それ以来、音楽以外のことに浮気をしたことはないね。常にトップの座をキープできたわけでもないんだけどさ。でも結局はいい曲を書いた人が勝ちだから、こればっかりはタイミングさ(笑)。
 マカハ・サンズとか、いいグループがどんどんでてきて、色んなミュージシャンたちが、ハワイアン・ミュージックを見守ってきたけれど、最終的にはなによりも、楽しんでやることこそが、音楽の醍醐味だと思うんだよ。それに関しては僕たちは、確実にやってきてると思うよ。ハハハ!
ハワイ ハワイ
アロハ: 一言でハワイアン・ミュージックといってもこの30年で随分変わったのではないでしょうか?
ハワイ
ロバート: それは確かにそうですね。今は世界中の様々な音楽が自由にハワイに入ってきて、しかもコンピューターなどでもアクセスしやすくなったので、色んな意味でハワイの音楽にほかの要素が混じるようになってきてます。いいとも悪いとも言えませんが、とにかく変わってしまったことは確かです。
ハワイ
ローランド: 僕も当時からロックンロール好きだったから、ヘビメタとかジミヘンにはまっていたけど、兄と一緒に音楽を作り、演奏するときの快感は、ロックンロールにも見いだせない特別なものなんだ。兄はとにかく才能があって、僕は常にインスパイアされてきた。彼なくしてハワイアン・ミュージックに革命はおこらなかったとも思うよ。長年一緒にこうしてやってこれたことはまさにマジック。お互いソロでも充分やれていたと思うんだ。でもふたりだとパワーが倍増して、信じられないほどの感動が生まれる。こうして一緒にやれることをカフナに感謝しているよ。
ハワイ
ロバート: アルバムの曲選びなどで、もめることもありますが、でもそれは、いいものを作り出す為のプロセスですから…。
ハワイ
アロハ: ロバートはクムフラとしても30年以上活躍されていますが、フラで最も大切なことはなんでしょう?
ハワイ
ロバート: すべてに対してリスペクト(尊敬)の気持ちをもつことですね。フラをあまり知らない人でしたら、自らフラを体験してリスペクトすることをおすすめします。
 私は、第1次フラブームの時に、日本を訪れましたが、その頃の日本の方たちは、みんなリスペクトの気持ちを持っていたように思いました。これから先、日本ではフラがさらに商業化されていくことがあるかもしれません。とくに日本では、フラはお金になってしまいますから…。でも、文化を海外に伝えるときは、必ず誤解が生じるのは仕方がないですよね。芸者の映画「SAYURI」でも、色んな誤解があったように。
ハワイ
アロハ:  例えば、フラダンサーは耳にプルメリアなど花を飾って踊るものと思っている人もいるようなんですが、ハワイのフラダンサーは、花を髪の毛に飾ることは少ないですしね。フラが広まっていくのは、いいことだと思いますが、教える側としては時々、ハワイの文化がきちんと伝承されるか心配なのも事実です。
ハワイ
アロハ: アルバム「Some Call It Aloha...Don't Tell」を昨年6年ぶりにリリースしたばかりなので、新作はまだ先の話になりそうでしょうか?
ハワイ
ロバート: 毎年恒例のクリスマス・アルバムは今年もリリース予定ですが、アルバムは2、3年は作る予定はありませんね。
ハワイ
ローランド: 前回のアルバムは自分たちも大満足だったんだ。だから、思う存分ライブとかで演奏をしてからでないと、次を作るのがもったいなくてね(笑)。
ハワイ
アロハ: 最後に読者へのメッセージをいただけますか?
ハワイ
ロバート: 音楽を聴く心をもってくれてありがとう。僕らの音楽を選んで聴いてくれてありがとう。
ハワイ
ローランド: いくつになってもこの雑誌を読み続けて(笑)! 10年後にこの雑誌を開いても、どうせ僕たちは変わらずブラザーズ・カジメロとしてインタビューに答えてるだろうからさ!ハハハ!あとはね「Be well」だね。自分に対しても他人に対してもBe well。そしたら長生きできるかもしれないじゃないか。

 ここまでキャラの違う兄弟も珍しいので、しゃべり口調もわざと変えてみました(笑)。弟のローランドはいつも陽気で冗談ばかりのやさしいロコボーイ、そして兄のローランドは、日頃から環境汚染や破壊に心を痛める繊細な天才肌。ハワイアン・ミュージックのレジェンド的存在にも関わらず、カジメロ一家のバーベキューにふらっとおじゃましたような気分にさせてくれたインタビューでした。「ブラザーズ・カジメロ」は、アロハスピリットの代名詞ですね。

※アロハストリート2006年夏号に掲載した記事です。

公開日 : 2006年 10月 18日

アイランド・ミュージック「ハーブ・オータ・ジュニア」

2006年10月11日 | 2006年夏号 アイランド・ミュージック 

アイランド・ミュージック ~話題のミュージシャンたち~
ウクレレの魅力を世界へ届けるために
Herb Ohta,Jr. ハーブ・オータ・ジュニア
 ウクレレとは不思議な楽器である。大昔、ヨーロッパからハワイへと渡り、独自の音楽を紡いできた小さな楽器は、現代のエネルギッシュな若き伝道師たちの演奏によって、多くの人の心を癒し、魅了しつつある。その手法はさまざまでも、彼らの熱意はそのままウクレレの魅力として、広く世界で受け入れられ始めたようだ。

 そんな若き伝道師のひとり、ハーブ・オータ・ジュニアは、特殊な環境で育ったプレイヤー。ハーブ・オータという偉大なる父に手ほどきを受け、幼いころから英才教育でウクレレを学んできた彼は、まさにサラブレッドと呼ぶにふさわしい存在。だが、父と同じ名前を持つことをプレッシャーに思わず、自分のスタイルを確立するには、相当な努力が必要だったに違いない。現在は、ヒルトン・ハワイアン・ビレッジの「トロピックス」や、ココ・マリーナの「バビーズ」にて定期的にライブを行っているが、ココ・マリーナでの演奏は、出来るだけたくさんの人にウクレレを楽しんでもらおうと、ボランティアで行っているのだという。
「そう、僕の夢は、今まで演奏したことのない場所へ行って、ウクレレを聴いたことのない人に、このすばらしい音楽を聴かせてあげること。ベスト・ウクレレ・プレーヤーになることがゴールじゃないんだよ。だって僕のまわりには、神さまとか神の子みたいな人がいるからね(笑)」。

 ジュニアが神と呼ぶのは、父ハーブ・オータの恩師であり、伝説的ウクレレ・プレーヤーのエディ・カマエ、そして神の子と表現したのは、言うまでもなく父その人だ。その尊敬する父と競演した待望のCDが6月にリリース。その少し前に発売されたダニエル・ホーとのデュオ・アルバム第2弾「ステップ2」も好評だ。CDには、日本でもおなじみのスタンダードから「サムウエア・オーバー・ザ・レインボー」などの人気曲、ダニエルとのオリジナル曲が収められている。
 「ふたりだと、なぜかレコーディングがスムーズに進むんだ。彼はギターの天才で、スタイルも違うけれど、きっと同じ音楽のテイストを持っているからだと思う」。そんなダニエルとは、共同でウクレレ教則本も出版済み。互いを天才と呼び合い、尊敬しあえる相手とのコラボレーションは、ジュニアの世界を広げるのに大いに貢献しているようだ。

 若手ウクレレ・ミュージシャンの台頭で、にわかに活気を帯びてきたハワイアン・ミュージック界。その中にあって、自分を冷静に見つめながらも、ウクレレの魅力を世界に伝えようとするジュニアの姿は、うりふたつの父を彷彿させるが、そのアプローチは違っている。「音楽に必要なのはテクニックじゃなくて、楽しむこと。楽しまなければ、何も始まらない。だから僕はウクレレを弾き続けるんだ」。
 なるほど、がんばれジュニア!
Herb Ohta,Jr. and Daniel Ho

「Step 2:」

UKULELES IN PARADISE2
Daniel Ho Creations
オータサン&ハーブ・オータ・ジュニア

「オハナ ウクレレ・デュオ」

ビクターエンタテインメント
ハーブ・オータ・ジュニア

ウクレレ教則本
「ディスカバー・ザ・ウクレレ」


ドレミ楽譜出版社
ハーブ・オータ・ジュニア

「ウクレレ アイランド・ハート」

デラ
ハーブ・オータ・ジュニア

「カ・ハナウナ・ホウ」

ワードレコーズ
Herb Ohta,Jr.

「Ukulele Breeze」

Lele Music Productions

ライブ・スケジュール:
●ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ 「トロピックス」毎週水、金曜16:00~19:00
●ココ・マリーナ 「バビーズ」毎月最終金曜20:00~22:00(都合により変更の場合あり)

※アロハストリート2006年夏号に掲載した記事です。

公開日 : 2006年 10月 11日