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「ハワイBOX フラの本」近藤 純夫さんインタビュー

2006年12月27日 | オアフ島 ハワイ島・ネイバー 学校、教室 日本で楽しむ 

ハワイの本を買おう!
「ハワイBOX フラの本」
近藤 純夫さんインタビュー
 今や世界中で一番フラ人口の多い国となった日本。一見優雅なダンスに見えるフラも、その動きや歌、衣装、楽器などのすべてに、古代より育まれてきたハワイ文化のエッセンスが詰まっています。そんなハワイの生活に密接に関係しているフラの本当の姿を、さまざまな角度から紹介しているのが「ハワイBOX フラの本」です。著者は、ハワイ火山国立公園アドバイザーの肩書きを持つ近藤純夫さん。近藤さんが、美しい写真とともに綴った本には、どんな思いが込められているのでしょうか。20年のハワイ歴からたどりついたフラの魅力について、じっくりお話をうかがいました。
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近藤純夫(こんどう・すみお)
 札幌生まれ。フランスと日本の大学を卒業後、予備校講師、出版社勤務を経てエッセイスト、翻訳家に。洞窟調査を趣味とする。長期に渡るマウナロアでの調査を通じてハワイの自然に興味を持ち、日本とハワイを行き来する。 1983年よりハワイ在住。主著に「ハワイBOX フラの本」(講談社)、「ハワイアン・ガーデン」「ハワイ・トレッキング」「ハワイ・ブック」(以上、平凡社)、「おもしろハワイ学1、2」(JTB)ほか。主な翻訳に「イザベラ・バードのハワイ紀行」(平凡社)など。


■ハワイではすべてがフラにつながる…
アロハ: まずは、今回近藤さんがフラの本を出されたきっかけから教えてください。フラにはいつごろから興味を持たれたのでしょう?
近藤: 僕はもともと火山や洞窟に興味があって、それをきっかけにハワイの自然に関する本を出してきました。自然を学んでいくと気づくことがあるんです。それは、植物にしろ、火山にしろ、自然はいろいろな形でハワイの信仰や文化に関わっているということです。やがてそれらがフラにも深く関わっていることを知りました。
アロハ: 入り口は、やはり自然との関わりだったのですね。
近藤: ええ、フラといえばダンス、というのが今日の常識でしょうが、かつては信仰表現であり、伝達手段だったんです。ぼくはフラの専門家ではありませんが、本当のフラをお伝したいというのが、この本を書くきっかけでした。
アロハ: なるほど。今までのフラの本とは違って、単なる踊りの紹介ではなく、その成り立ちや歴史、フラの持つ意味から、生活にかかわる部分まで、わかりやすく解説していらっしゃいますよね。
近藤: そうですね。
アロハ: 著者の近藤さんから見て、この本の一番のポイントはどこだと思っていらっしゃいますか?
近藤: フラに限りませんが、すべての事柄は単独で成り立っているわけではない、ということでしょうか。フラには崇める神がいて、捧げる植物がある。フラの文化は神話や自然と密接に結びついている、ということを述べたつもりです。
アロハ: あと、見せ方や写真がとてもきれいで、フラを習っていない、または全然知らない人でも読みたくなるような魅力がありますが、とくに工夫された点は?
近藤: 写真の大半は僕の撮影ですが、やはり高砂淳二さんやニック加藤さんといった写真家の作品の力が大きいと思います。すべての写真についてこだわったのは、ハワイの空気感が出ているかということ。僕がハワイに滞在するとき、いつも感じるのがこの空気感なんです。
アロハ: なるほど。では、本を作る上で苦労されたことは何でしょう?
近藤: ハワイの伝統文化はすべて口承です。神話にしてもフラのスタイルにしても、書いた人の数だけバリエーションがあります。それをうまく消化してまとめるのは、いつも大変な作業です。
アロハ: この本は、フラ完全ガイドとあるだけあって、さまざまなコンテンツがあり、読み応えがありますね。
近藤: でも、読み方についてはとくに何も決まりはありません。どこでも、気に入ったところから読んでください。いつか、この本のどの項目もお互いに深く関わり合っていることに気づいていただければうれしいです。


■フラが結びつけてくれたもの
アロハ: 日本ではフラが大人気ですが、その現象についてはどう感じていらっしゃいますか?
近藤: 日本人は習い事というのが好きですが、とくにフラはハウマーナ(生徒)どうしの連帯感が高い気がします。それが次々と新しい仲間を呼び込む吸引力になっているのではないでしょうか。
アロハ: 単なるブームを超えた、もっと熱いものがあるのはハワイにも伝わってきます。
近藤: とくに最近は、フラの背景としての文化や自然を学ぶ人たちが増えているようですよ。
アロハ: そうなんですね。そういえば、男性のフラはハワイではとても人気がありますが、近藤さんも踊りたくなったのでは?
近藤: 日本ではつい先日、初めて大規模なカーネ(男性)の大会がありました。フラは女性の踊りというイメージがありますが、かつては男が踊っていたものですよね。大会も思っていた以上に迫力があり、楽しめました。でも、自分がやるのは苦手かなぁ…(笑)。
アロハ: ハワイと日本におけるフラの未来について、何か感じることがありましたら教えてください。
近藤: そうですね、フラが単なる踊りではなく、文化と自然を体現するものと考える人が増えていますから、フラ愛好者を中心に、ハワイと日本の精神的な結びつきがより深くなるかなと期待しています。
アロハ: ご自身がフラとつながったことで見つけた、新しい可能性などがありますか?
近藤: 本を書くという僕の仕事は、ハワイに関わる人たちが与えてくださった深い知識なくしてあり得ませんが、今回の本もまた、多くを教えていただきました。それはクム・フラ(フラの指導者)だけでなく、カフナ(祈祷師)であるとか、国立公園のレンジャーであるとか、あるいは植物学者であったり、一般の人であったりします。以前に気づかなかったことを知る、ということが、これからもずっと繰り返されていくのだと思います。
アロハ: ハワイに対する感じ方、見方はいかがでしょう? 今までと少しでも変わりました?
近藤: それはあまり変わりませんね。初めてハワイの本を出したときから、自然や文化は互いに深く交わっているという強い思いがあって、それをひとつひとつ確かめているという感じかな? でも、今回は多くのフラを見てパワーをもらいましたし、ハレマウマウの火山ガスのなかで演じられたフラは、深い衝撃がありました。
アロハ: それは貴重な経験をされましたね。では、近藤さんが本を書き進めていく上で感じたフラの魅力って何でしょう?
近藤: フラは信仰であり、コミュニケーションであり、芸術であり、歓びでもありましたが、それ以上に、フラに関わる人たちの生み出すオハナ(家族、仲間)の精神でしょうか。フラには人を活かす、何かがある気がします。


■仕事とプライベートでハワイに魅せられて…
アロハ: 近藤さんの肩書きの中には、ハワイ火山国立公園アドバイザーというのがありますが、それは実際にはどんなお仕事ですか?
近藤: 10年以上前から、マウナロアの山頂直下と、標高3,000メートル付近に分布する洞窟の調査をしてきました。洞窟調査をする者はだれでもそうですが、測量や岩石、水系、化石、人類学など、いくつかの調査をします。それらを日本語と英語でレポートにまとめて、国立公園に提出してきのですが、それを評価してくださった関係者が、僕と、イタリア人の方のふたりを国立公園のアドバイザーとして推薦してくれたのがきっかけです。レンジャーのように一般の方たちと接触することはありませんが、フィールドワークを通じて、国立公園の情報収集のお手伝いを続けていくことができればと思っています。
アロハ: なるほど。ハワイは今までに何回くらい行き来していらっしゃるのでしょう?
近藤: うーん、何度でしょう(笑)? 年に2回から6回くらい。それを20年以上続けています。
アロハ: それはすごい! 数えられないですね(笑)。では、その20年にわたるお仕事とプライベートの両面から見たハワイの魅力とは?

▲「ハワイ・ブック」
火山をキーワードに、ハワイの自然や文化を探る、近藤さんの著書。
近藤: ハワイは、とくに日本人にとっては、ほかの外国とは違う特別の場所というイメージがありますよね。みな、引き寄せられるようにハワイへ行く。飽きたという声はあまり聞きません。というより、病みつきになる人の方が多い気がする。僕はそのことに加えて洞窟もあるので、病みつきと闇つきの両方でしょうか(笑)。
アロハ: ハワイで個人的にお好きな場所、あるいは島はありますか?
近藤: ゆっくり何もせずに休暇を過ごすならモロカイ島の某所かな? 暮らすなら、ハワイ島のヒロですね。
アロハ: 某所?? 気になりますねぇ(笑)。では、ハワイに来たら必ずすることと言えば?
近藤: 仕事を兼ねていますが、いくつかの古書店と図書館で資料収集すること、それにお付き合いをしてくださっている植物学者や火山学者、洞窟仲間から情報を聞くことでしょうか。もちろん、土地のおいしいものを食べるのも忘れません(笑)。
アロハ: なるほど。趣味と実益を兼ねているんですね。これからのハワイでのお仕事のご予定は?
近藤: 来春に出す本(ハワイ学)のための追加取材と、その次に出す本の資料収集を行なう予定でいます。
アロハ: 来年もお忙しそうですね。それでは最後に、アロハストリート読者にメッセージをお願いいたします!
近藤: ひとつでいいから、何かに深く関心を持ってみてください。花でも鳥でもいいし、フラでもハワイ語でも神さまでもいい。僕のきっかけはオヒアレフアという花でした。花の名前を知るという簡単なことからはじめて、植物としての性質、オヒアレフアと共生する野鳥、島の景観とオヒアレフアの関係など、多くのことがらに関心が広がっていきました。みなさんそれぞれの「オヒアレフア」を持っていただけたら、とてもうれしいです。
アロハ: ありがとうございました。

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「ハワイBOX フラの本」
著者:近藤純夫
価格:¥1,785 (税込)
雑誌:208ページ
出版社:講談社
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公開日 : 2006年 12月 27日