
第32回 新シリーズ「ハワイ8島のハワイアンキルト」Part7
皆さまアロハ! 今年もあと2カ月になりました。時の経つのは早過ぎますね。これか...
2008年10月27日
今年もあと2カ月になりました。時の経つのは早過ぎますね。これから年末まで、アメリカはイベントが目白押しです。秋も深まってくると、夏の間、暑くて手をつけられなかったハワイアンキルトも、針を進めてみたくなるかもしれません。
今回も新シリーズ「ハワイ8島のハワイアンキルト」をお届けしたいと思います。ハワイ州は大きな8島から成り立っています。8島の中で、現在人が住んでいないのがカホオラヴェ島です。アメリカ軍がずっと使っていたのですが、ここ数年、ハワイの人に返すため島をきれいにしている最中です。それでは、ハワイ州の8島の花や植物をあしらったハワイアンキルトをご紹介していきましょう。
プロフィール 本名:藤原小百合(アン/Anne)
オハイオ州の高校に留学中、アメリカン・パッチワークを習い始める。 その後ハワイ移住。マウイ島のハナ・マウイ・ホテルを訪れた際にハワイアンキルトと出会い、そのすばらしさに感動。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族へ贈る「千羽鶴フレンドシップ・キルト」の製作をインターネットを通じて広くキルターに呼びかけ、「キルトハワイ2003」ではハワイローカルの人たちからの応援を受け完成。現在はハワイと東京で「アン工房」のスタッフとクラスやイベントで活動中。2004年にレタスクラブムックより「のんびり、チクチク、ハワイアンキルト」、2008年にはダイアモンド社より「ハワイ、花とキルトの散歩道」を出版。
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★カホオラヴェ島とは?
今回ご紹介するカホオラヴェ島は、マウイ島から南西に約11.2キロに位置し、ハワイ8島の中では1番小さい島です。またカホオラヴェ島には、現在住んでいる人はいません。カホオラヴェ島の歴史では、かつて人が住んでいて、漁をしたり、サトウキビ、タバコ、パイナップルなども栽培されていたということですが、真水に恵まれず、人々にとっては苦しい生活だったと書かれています。1941年に始まった第二次世界大戦では、米兵の訓練地として使われ、たくさんの兵士がここで硫黄島やマリアナ諸島への対戦の準備を行いました。その後もアメリカ軍下に置かれ、太平洋にけるアメリカ軍の重要な訓練地として、長年に渡って爆発物などの演習地にされていました。
そんな歴史にピリオドが打たれたのは、1976年に「Protect Kahoolawe Ohana」(PKO) という団体が発足し、カホオラヴェ島を軍の訓練地から解放するよう国に要請し始めたのがきっかけです。ですが、なかなか平和の方向へは進みませんでした。1994年にアメリカ議会がカホオラヴェ島のハワイ州への返還を認め、島はハワイアンの手元に戻ったのでした。
それからは、島の土地に埋まっているかもしれない地雷や爆発物の除去などがアメリカ軍により始まり、2003年にやっとカホオラヴェ島の掃除が完了し、その年の11月11日にイオラニ宮殿にて、ハワイ州に正式返還されるという、記念すべき式典が行われました。
現在はいろいろな支援団体が昔のカホオラヴェ島に戻そうと、植林をしたりして、努力をしているそうです。早く誰でも訪れることができるような島に戻るといいですね。
★カホオラヴェ島の花 ヒナヒナ
カホオラヴェ島の花は、ハワイ語でヒナヒナと呼ばれる、海に近いところに生育する植物で、ハワイの固有種のひとつです。海の近くに生育する植物の特徴のひとつに、葉が少し厚ぼったいということがあります。これは、塩水は近くにあるのに、なかなか真水を取り入れる事ができないので、雨などが降ると、その水分を葉に取り入れ、葉に貯めることができるように葉が厚ぼったくなるということです。緑が濃く、葉の形も丸く尖っているのが特徴です。葉と花は香りがよく、レイにも使われることがあります。葉は小さい毛がたくさん生えていて、光の加減で緑ではなく、ブルーグレーに見えたりもします。海の側の砂地に生息する植物は背が低いのも特徴ですね。
ヒナヒナの葉 photo by Rosa Say
(左)ヒナヒナの葉と花 photo by Forest & Kim Starr
(右)ヒナヒナのレイ photo by http://www.kaahelehawaii.com
★ヒナヒナをハワイアンキルトにデザインする!
カホオラヴェ島の花はヒナヒナですが、この植物は結構デザインしやすいので、今回は葉だけのキルトデザインにしてみました。葉が丸っぽく尖っていて、丸みがあり厚みのある葉は、ハワイアンキルトで表現しやすいのです。いつものように写真を大きく拡大して、ヒナヒナの葉に最も似るようにスケッチしていきます。私の1番気を使って描いていく場所は、茎の太さと葉の形です。少し丸みがかった曲線が、クッションの大きさのキルトにはとても大切なので、一度パターンを作り、必ず紙を切り、広げてみて、全体のバランスを確認します。そしてパターンの形を整えていきます。
今回は山と谷がたくさん登場しますが、とても取りかかりやすいパターンになっていると思います。実際に生地をカットしてみると、こんな感じに出来上がりました。想像通りのヒナヒナの葉の形になったので、とてもうれしいです。
ヒナヒナを写真からスケッチする。
ヒナヒナの葉のパターンをカッティングして広げるとこんな感じに。
★ヒナヒナをクッションにキルティングする!
カホオラヴェ島の色はグレーです。どこかで読んだことがあるのですが、アクアとグレーがカホオラヴェ島の色だという説もあるようです。ですから、今回はドレスデンブルーを下地に使い、シルバーグレーでアップリケをしてみました。デザインには、丸い感じの花も実もないので、ひたすら葉の部分のアップリケを終了すると、キルティングに取りかかります。アップリケ終了後は落としキルトを始めます。落としキルトはアップリケのデザインのすぐ外側を縫います。落としキルトをするとデザインが盛り上がり、デザインがしっかりと浮き上ります。そして飾りキルトをします。
キルト糸は下地と同じブルーの糸を使うと、ステッチが浮き上がり、より一層ヒナヒナの葉の感じを引き出せます。今回も6オンスという少し厚めのキルト芯を使っていますので、キルティング後は、模様がぷっくりと浮き上がりますね。葉の中の飾りキルトは、模様に沿ってキルティングするという、1番伝統的なキルトラインにしてみました。最後はアップリケのデザイン周りをエコーイングキルトしていきます。そしてヒナヒナのクッションが完成です!
デザインのみでなく、色やキルト芯の厚みにより、より一層本物に近づくというテクニックも必要になったりしますね。皆さんもご自分なりにいろいろ工夫し、ハワイアンキルトを楽しんで下さいね!
ヒナヒナの葉の中のキルトラインを模様に沿わせるという、伝統的なハワイアンキルトの手法を使って。
ヒナヒナの全体のキルトはこんな感じで。
次回は、とうとうこの8島シリーズ最後のニイハウ島のご紹介です。9月&10月の東京&神戸のレッスンに来て下さった方々からも、この8島シリーズを全部作りたい!とおっしゃって下さった方が多く、とてもうれしかったです。毎月大変ですが、そのように言っていただけると、やる気がいっそう湧いてきます。
ハワイに関して、少しづつ新しい知識を増やしていただけるとうれしいです。各島の花だけではなく、島の色と融合させて、ハワイアンキルトを作るのも楽しいですよね。
では次回、最後の8島シリーズをお楽しみに!
By Anne
Anne's Hawaiian Quilt
住所:307 Lewers St Suite 808
電話:922-3451
(ワイキキ、ルイヴィトンの山側、牛角レストランの8階)
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