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第23回 海の中のハワイアンキルト[終] 「クジラ」

2007年09月26日 | オアフ島 学校、教室 

アン先生のハワイアンキルトなティータイム
 第23回
 海の中のハワイアンキルト 【最終回】
 「クジラ」
 皆様アロハ!
 お元気ですか? 今年の夏は、ハワイに来ると涼しく感じる、という言葉をよく耳にしました。ハワイはほとんど1年中、山から貿易風が吹いていて、真夏の日中でも心地よい涼しい風を感じる日が多く、暑さも日本ほど厳しくはないのです。真夏日には、貿易風とは反対のコナウインドと呼ばれる、海から流れてくる湿度の高い風が吹くこともありますが、数日間程度で、あまり長くは続きません。
 さて、今回のテーマはクジラ。ハワイで見られる海の生き物の中で、クジラはとくに有名ですよね。ハワイでは、冬にあたる12月頃から4月の初めにかけて、アラスカから南下してきたザトウクジラが出産、子育てをし、4月以降にまたアラスカの海へ帰って行く姿が見られます。大きなクジラの姿はマウイ島周辺の海でよく見られ、ハワイの冬の風物詩となっています。

 コンテンポラリーなハワイアンキルトでは海の中の生き物や、フラの時に使う楽器など、いままではとは少し違うモチーフが使われるようになって来ました。今回のシリーズの最後は、ハワイの海で生命を育むザトウクジラをご紹介しましょう!

写真提供協力:アトランティス・クルーズ
プロフィール
本名:藤原小百合(アン/Anne)
藤原小百合(アン/Anne)  オハイオ州の高校に留学中、アメリカン・パッチワークを習い始める。 その後ハワイ移住。マウイ島のハナ・マウイ・ホテルを訪れた際にハワイアンキルトと出会い、そのすばらしさに感動。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族へ贈る「千羽鶴フレンドシップ・キルト」の製作をインターネットを通じて広くキルターに呼びかけ、「キルトハワイ2003」ではハワイローカルの人たちからの応援を受け完成。現在はハワイと東京で「アン工房」のスタッフとクラスやイベントで活動中。2004年にはレタスクラブムックより「のんびり、チクチク、ハワイアンキルト」を出版。

ホームページはこちら
アン先生のインタビュー記事はこちら

■ザトウクジラとは?
 ハワイの海では、毎年11月終わり~12月初旬から、4月頃まで見ることができます。ザトウクジラはこの時期、アラスカの海から約1カ月かけて、出産、子育てをしにハワイの暖かい海にやって来ます。英語ではハンプバック・ホエールと言い、背中のこぶから「せむしのクジラ」と呼ばれているのです。
 成長したザトウクジラの体長は約13~15メートルになり、体重は約30トン。体長の約3分の1の長さにあたる、長い胸びれと頭部のこぶが特徴です。このように大きなザトウクジラですが、主食は小さな魚やプランクトン。でも出産期のメスは、餌を食べずに回遊しているとも言われています。
 ハワイでは、クジラが出産後、子育てをしている姿も見ることができます。子クジラを自分の体の上で泳がせ、息ができるように下から押し上げ、息の仕方を教えたりしているようです。そして3月から4月にかけて、再びアラスカへと戻って行くのです。オアフ島でも、マカプウ岬やダイヤモンドヘッドから見えることもありますし、この時期はホエールウォッチング・ツアーも催行され、観光客の人気を呼んでいます。
▲迫力満点のクジラ。ぜひ近くで見てみたいですね。
▲冬のハワイはホエール・ウォッチングが盛ん。

■ザトウクジラの歌と子クジラの秘密
 ザトウクジラのオスはメスの気を引くためか、不思議な歌を歌います。その歌がどんなものか、私は聞いたことはありませんが,短くて5分~10分、長くて30分ほど歌い続けるらしいです。求愛のためなのでしょうか?
 子クジラは、生まれた時の体長は約4メートル、体重は約1トン。でもその成長は著しく、毎日体長約2.5センチ、体重は約45キロも増えるのだとか。そしてもっとびっくりするのは、子クジラは母乳だけで6カ月間育つそうで、世界一、濃厚なミルクだそうです。子クジラが1日に飲む母乳の量は約190~380リットル。ちょっと想像がつかない量ですが、ミルクだけで大きく成長するのは、長いアラスカへの航海が待ち受けているからでしょうか。
▲子クジラも懸命にブリーチング。クジラの親子は1年間片時も離れずに暮らすそうです。

■ザトウクジラをモチーフにクッション作り
 さて、今回はおもしろいパターンを考えてみました。通常クッションサイズだと、ハワイアンキルトは1/8の大きさのパターンを広げてシンメトリックな模様にするのですが、今回は1/8と1/4の大きさのパターンを混ぜてみました。中心のクジラの尾の部分は1/8、周りのクジラは1/4の大きさにしてみました。ちょっと変わっていますが、どうでしょうか?
 テールスラップと言う、尾を水の上に出す行動がとても有名なので、どうしてもクジラの尾の部分を表現したかったのと、雄大なザトウクジラの形を作りたかったので、こんな感じになりました。
 そして頭部の瘤やお腹のストライプの部分を刺繍糸で工夫してみました。ザトウクジラの雰囲気が伝わればいいのですが…。いろいろな資料を読んでみて、子クジラも一緒にキルトのデザインの中に入れればよかったなあと思いましたが、それは次の作品の課題にするとしましょう。

▲今回は、頭部の瘤とお腹のストライプが特徴です。

▲クジラの尾の部分もデザインに取り入れてみました。

▲本物のクジラを海で見ると、感激もひとしお。

■マウイでザトウクジラに会う?
 マウイ島のラハイナはその昔、捕鯨で栄えた港町でした。ザトウクジラは泳ぐスピードが遅いため、クジラ漁の格好の標的だったと言われています。1966年にあまりにも数の少なくなったザトウクジラに対して、商業捕鯨が世界的に禁止されました。それからはクジラの保護がうまくいったようで、ハワイでは毎年ザトウクジラに会えるようになりました。遠くからでも、クジラの姿が見られると、なぜかうれしくなります。マウイ島、オアフ島ではホエールウォッチングのツアーに参加できますので、ぜひ一度は参加してみてくださいね!
 マウイ島マアラエア地区にある、マウイ・オーシャン・センターに行くと、子クジラが毎日飲む母乳の量が牛乳パックで展示されていて、とてもわかりやすいですよ。マウイ島に行かれる時には、こちらにもぜひ立ち寄ってみてください。
▲ハワイ最大の水族館マウイ・オーシャン・センター。
▲ラハイナのホエラーズ・ビレッジ・ミュージアムにも捕鯨に関する貴重な資料がいっぱい。

★遊び心いっぱいで!

 実際に目で見た海の生き物をキルトにするのも楽しいですが、今回のように、海の中に潜らないと見えない生物は、想像力を豊かにしないと、面白いキルトのデザインは作れないですよね…。毎年海の上から少しだけ見る、ザトウクジラの姿は雄大です。尾を見るだけでも満足感があります。皆さんも一度は海の生物のハワイアンキルトにトライしてみて下さいね!

 この企画は今回で最終回です! 夏にぴったりの海の中のハワイアンキルトはいかがでしたか? 遊び心たくさんのハワイアンキルト作りも楽しいものです。
 それでは、すてきな秋をお過ごし下さい! また皆様にお会いできる日を楽しみにしております。

■このコラムへのご意見、ご感想、リクエストはこちらまで。たくさんのメールお待ちしています!!

公開日 : 2007年 9月 26日